東京オートサロンの常連である日産京都自動車大学校が「東京オートサロン2025」で出展した車両は、日産「フェアレディZ」のフロントフェイスを持つステーションワゴン「Z Lealia(ゼット・リーリア)」です。この車両はどのようにして作られたのでしょうか。
■フェアレディZワゴンな「Zリーリア」とは
日産京都自動車大学校は、2025年1月10日〜12日にかけて開催された東京オートサロン2025に、日産「ステージア」のボディに「フェアレディZ」のフロントフェイスを移植したステーションワゴン「Z Lealia(ゼット・リーリア)」を出展しました。
学校法人日産学園 日産自動車大学校は、次世代の自動車整備士やエンジニアを育成する日産直系の私立専門学校です。
全国にある5校のうち、おもに車体外装について学ぶ「自動車整備・カスタマイズ科」がある京都校と愛知校は、生徒たちが授業で制作した車両を毎年のように東京オートサロンに出展しています。
フェアレディZワゴンとも言える前述のZリーリアを制作したのは、日産京都自動車大学校の自動車整備・カスタマイズ科の卒業年次生となる4年生であり、6ヵ月の期間をかけて制作されたこの車両は授業で学んだことの集大成と言えるでしょう。
ベース車両となった2代目ステージア(M35型)は、スカイライン(V35型)と共通の車体構造を持つミドルサイズの高性能ステーションワゴンです。
初代のスクエアなデザインから一転して、2代目は大型化しつつ伸びやかなスタイリングに変わり、エンジンは直列6気筒に変わってV型6気筒が搭載されました。
顔面移植されたのは2022年に大幅改良を行ったRZ34型のフェアレディZのフロントフェイスです。
初代S30型を彷彿とさせるレトロモダンなスタイルを纏った最新型のフェアレディZは、過去最強となる405馬力の3.0リッターV6ツインターボエンジンを搭載した後輪駆動のピュアスポーツカー。
この異色ともいえる2台の組み合わせは、「スポーツカーは2人乗り」というイメージを払拭すべく5人が乗車できるZを作りたいという想いに始まり、過去の卒業生がオートサロンに出展したZ顔のSUV「Fairlady X」の影響も受けて制作を決定したとのこと。
「Lealia(リーリア)」の名前は、「lead(率いる)」と「familia(家族)」を組み合わせた造語であり、「家族と歩むスポーツワゴン」が制作テーマです。
フェアレディZのフロント周り一式をステージアに移植し、バランスをとるためにリアフェンダーもワイド化。併せてリアドアも切断と溶接でフェンダーとの張り出しを揃えつつ、フェアレディZらしい流線型に整えられています。
リア周りは、日産「リーフ」のバックドアにフェアレディZのコンビネーションランプが取り付けられ、リアバンパー下部には「スカイラインGT-R (R34型)」のイメージに近づけるようにK13型「マーチニスモ」のディフューザーを追加。
ボディカラーは、フェアレディZ発表当時のイメージカラーとなる「イカヅチイエロー」とし、Aピラーからルーフにかけてブラックに塗り分けることで2トーンカラーも再現しています。
内装は、再塗装をしたうえで外装に合わせた黄色のトリムを作り込み、シートもブラック×イエローのコンビネーション柄を選択。フェアレディZのトレードマークとも言える3連メーターは手製の取付パネルを制作して装着し、ステアリングはRZ34型の純正品を流用しています。
サスペンションは、「Largus(ラルグス) SpecS」車高調を用いて適度に車高を落とし、ホイールは19インチの「WORK EMOTION CR2P」が装着されています。
制作の担当者は「昔、憧れていたフェアレディZを家族にも乗ってもらいたい」とコメントしており、想定した父親の世代から人気だったホイールのチョイスもクルマ全体の雰囲気をまとめるのに一役買っています。