クルマを運転していると、ウインカーを左右どちらに出すべきか判断に迷うような道路に遭遇することがあります。そのような状況では何を基準に判断すれば良いのでしょうか。
■「ウインカー」どっちに出すのが正解?
クルマの運転において、右折したいときは右に、左折したいときは左にウインカーを出すのが基本です。
しかし、どちらに出せばいいのか判断に迷うような、「ちょっと困った道路」が存在するのも事実。
そのような曖昧な状況では、一体何を基準に判断すれば良いのでしょうか。警察の回答とともに解説します。
今回取り上げる「判断に迷うパターン」としては、副道から並行する大きな道路へ斜めに接続された道路です。
このような状況で判断するポイントは、大きな道路への進入が「合流」にあたるのか、「左折」にあたるのかということ。
比較的簡単な例でいうと、高速道路でSA・PAの出口やICから本線へ入るときは「合流」であり、右にウインカーを出しながら進入します。
また、信号が設置されている交差点であれば、道路が斜めであっても「左折」にあたり、左にウインカーを出すのが正解です。
では、一般道で信号が無く斜めに接続された道路の場合はどうでしょうか。
基準となるのは、その場所に『止まれ』の標識や停止線があるかどうかです。
進入地点の手前に『止まれ』の標識や停止線があれば、その場所は交差点という扱いになり、進むことは「左折」にあたるため、左にウインカーを出すのが正解となります。
一方で、進入地点の手前に『止まれ』の標識も停止線もなく、本線側の車線がその部分だけ点線になっていれば、これは「合流」にあたるため、右にウインカーを出すのが正解です。
そしてここで悩ましいのが、「ルール上は『左折』にあたるからといって、ウインカーを左に出しても本線側のクルマから見えないのでは?」という疑問。
もっともにも思えますが、しかしウインカーは本線側のクルマにだけ見せるものではありません。
後続車や周囲の全体に対して見せるものであるため、勝手な判断で間違った方向にウインカーを出すと、後続車が「この道路は右折できるんだ」と勘違いして、逆走につながってしまう危険性があります。
この点について、広島県警の警察官への過去の取材でも、以下のような回答が返っています。
「大通りに進入するような形の道路で、ウインカーをどちらに出せばいいか迷ったときには、停止線があるかどうかを確認してください。
停止線があれば交差点なので左に、停止線がなく車線が点線であれば合流なので、右にウインカーを出します。
左にウインカーを出すと、合流先のクルマからは見えないんじゃないか、と不安になるかもしれませんが、ルールを遵守して停止線がある場合は左に出してください」
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このように、副道から並行する大きな道路へ斜めに接続された道路で、ウインカーをどちらに出せばいいか判断に迷った際には、大きな道路への進入が「合流」にあたるのか「左折」にあたるのかを、標識や停止線によって見極めるようにしましょう。