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首都高羽田線「無料の側道」が「空港直結」へ!? 天王洲アイル~鮫洲の“未開通部”も…検討進行中の「海岸通り」延伸計画は今どうなっているのか

くるまのニュース 2025年1月22日 14時10分

首都高1号羽田線の「側道」となっている「海岸通り」が、羽田空港まで延伸する計画となっています。実現すれば一体どう便利になるのでしょうか。また話はどこまで進んでいるのでしょうか。

■羽田線の側道 ブツ切れ解消&空港延伸なるか

 首都高1号羽田線の「側道」となっている「海岸通り」が、羽田空港まで延伸する計画となっています。
 
 実現すれば一体どう便利になるのでしょうか。また話はどこまで進んでいるのでしょうか。

 首都高1号羽田線は、浜松町の「浜崎橋JCT」で都心環状線から南へ分岐し、京浜運河沿いに天王洲アイル、平和島、昭和島を経て、大師橋で多摩川を渡ります。渡った先は神奈川1号横羽線として、川崎・横浜市内へ伸びていきます。

 芝浦からずっと高架下は側道という形で海岸通りが走り、快適な片側2車線で、港湾地帯の重要な南北軸となっています。

 しかし、その側道は天王洲アイルで途切れてしまいます。南へ行くには、カクカクと右左折して、鮫洲運転免許試験場のある西隣の道路を使うしかありません。

 その道路は鮫洲で再び首都高羽田線と合流し、ふたたび高架下側道として昭和島まで伸び、また途切れます。

 そんな中途半端な「海岸通り」ですが、実は戦後すぐから都市計画道路「放射第18号線」として計画が存在しています。

 ブツ切れになっている「首都高羽田線の側道」が、将来的には羽田空港までつながろうとしています。

 気になる進捗は以下のとおり。

●天王洲アイル~鮫洲(勝島1丁目):都市計画の見直し検討
 もともと都の2016年~2025年の10か年計画「第四次事業化計画」では、優先整備路線に選定されませんでした。しかし一定の重要性は考慮されていたのか、別枠の「計画内容再検討路線」に指定されています。

「京浜運河の上部に計画されている都市計画道路であり、残る区部の骨格幹線道路として、事業の実現性や施工性の観点から検討が必要です」という扱いで、「廃止保留」のようなニュアンスも感じられます。

 こうした扱いを受け、10か年も終わりに差し掛かろうかという2023年に、都市計画の再検討が行われました。その後の特段の動きは出ていませんが、何らかの方針決定か、あるいは2026年以降の「第五次事業化計画」にその検討結果が盛り込まれるものと見られます。

 東京都都市整備局の担当者は「ここは、他の区間とは違い、一筋縄ではいきません」と話します。

「首都高の高架は、京浜運河のギリギリを抜けていきます。側道としてどう一般道路を通していくのか、首都高の橋脚をどうクリアするのか、施行性をしっかり検討する必要があります。

 さらに、工区のはじまりとなる天王洲アイル交差点では、新道路を整備すると『五差路』になってしまうため、混乱を招かないような対策も考えなくてはなりません。

 このような課題もふまえ、交通量など最新の現状を調査しつつ、整備可能性について検討しているところです」

●昭和島~羽田空港:新たな都市計画として浮上
 戦後すぐの計画では「昭和島でブツ切れ」となっていた放射第18号線ですが、「第四次事業化計画」では、新たな都市計画道路の候補として、昭和島~羽田空港が浮上。「羽田空港周辺地における道路網の拡充」という名目です。

「首都圏の活力を高める国際的な拠点空港へのアクセス性向上に向けて、引き続き羽田空港へのアクセス強化が期待される都市計画道路について、検討していきます」と記載されています。

 10か年計画に明記されているからには、何らかのアクションを起こさなければなりません。実際にこちらも検討業務が発注され、現在進行形で調査検討が進められているところです。

「周辺事情も計画当初から変化しつつあります。2016年には、首都高湾岸線に並行する国道357号が多摩川を越えて川崎浮島JCTまでつなぐ『多摩川トンネル』計画が事業化しています。

 この多摩川トンネルの開通によって、周辺交通量の予測も変わってくる可能性があります。そうした変化もふまえ、海岸通りの羽田空港延伸がどのような効果をもたらすのか、調査しているところです」(同担当者)

 ※ ※ ※

 10か年計画も終わりに近づくなか、臨海部の「無料の南北軸」計画は目下検討進行中です。

 この検討をふまえて「都市計画素案」取りまとめにこぎつけられるのか、はたまた一旦「第五次事業化計画」のスケジュールに乗せたうえでじっくり詰めていくのか、現在の検討のゆくえについては「まだはっきりしたことは決まっていません」とのことでした。

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