日産が2023年に実車を公開した「マックスアウト」とはどのようなコンセプトカーなのでしょうか。
■日産が提案する「2人乗りオープンカー」ってどんなモデル?
2021年に発表された日産の長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」では、3台のコンセプトカーが発表されました。
いずれも実車ではなく、バーチャルでのお披露目でしたが、2023年に3台のうち1台の実車モデルが公開されました。それがEVコンセプトカーの「MAX-OUT(マックスアウト)」です。
マックスアウトはオープンタイプのスポーツEV。高い安定性と快適性を備えた、これまでにない新しいドライビング体験を提供するコンセプトカーとして発表されました。
2021年の発表ではCGで描かれたバーチャルモデルでしたが、2023年2月、「持続可能で革新的なモビリティーを普及させていく日産の決意を具現したもの」として、マックスアウトの実車がお披露目されました。
マックスアウトの特徴は、バーチャルモデル公開時にも注目を集めたダイナミックかつ未来感のあるデザインです。特に大きく横長のグリルを配したフロントマスクは、マックスアウトの魅力の1つでしょう。
また、ボディやホイール、キャビン部分にはイルミネーション機能が備えられています。このイルミネーションは、シチュエーションに応じて異なるカラーやデザインが点灯する仕組みになっており、クルマの印象を変えることができました。
インテリアも、フロントパネル中央に設置された横長のディスプレイ(メーターや車両情報を表示)や、四角いステアリングなど、個性的なデザイン。運転席と助手席はキャビンの後方に収納できる仕組みで、シートを収納することで車内をフラットにできました。
パワートレインは、2021年に発表された日産のEVの方向性を示すスタディ「ニッサンEVテクノロジービジョン」が用いられています。
各コンポーネントを小型化して統合し、さらに高いエネルギー密度の全固体電池を組み合わせたもので、EVのパフォーマンスを効率的に引き上げることが可能です。
駆動方式には、日産が開発した先進車両制御技術「e-4ORCE」を採用。フロントとリアに配置した2つの高出力モーターとブレーキを統合して制御することで、駆動力を状況に応じてコントロールする技術で、「アリア」や「エクストレイル」「セレナ」といったモデルに採用されています。
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実車モデルのマックスアウトは、2023年2月に発表された後、同月から開催されたイベント「Nissan FUTURES(ニッサン フューチャーズ)」で展示され、注目を集めました。
現在のところ、マックスアウトに市販化の動きはありませんが、今後の展開に目が離せない1台といえるでしょう。