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高速道路の「右ルート」「左ルート」なぜ分かれる? 謎の「左右分岐」どっちが早く着くの? “設置の理由”と、左ルートじゃないと「入れない施設」とは

くるまのニュース 2025年2月9日 7時10分

高速道路には、「右ルート」と「左ルート」に分かれている区間があります。どちらを選んでも同じ方向へ向かい、最終的には合流し、所要時間も同じなのに、なぜ分かれているのでしょうか。

■「右ルート」と「左ルート」どっちに行くべき?

 高速道路には、「右ルート」と「左ルート」に分かれている区間が存在します。

 しかしどちらを選んでも同じ方向へ向かい、最終的には合流するので、所要時間も大差ないことが大半。

 では一体なぜルートを分ける必要があるのでしょうか。

 2025年現在、右ルートと左ルートに分かれている高速道路は、「東名高速道路下り線の大井松田IC~御殿場IC」、「東名高速道路上り線の焼津IC~静岡IC」、「名神高速道路下り線の京都南IC~茨木IC」、「名神高速道路上り線の茨木IC~京都南IC」、そして「中央自動車道下り線の上野原IC~大月IC」の5区間です。

 この5区間の共通点は、交通量が多いうえにカーブも多く、渋滞が発生しやすいこと。

 つまり結論から言ってしまうと、右ルートと左ルートに分かれている理由は、渋滞の解消が目的なのです。

 東名高速道路の大井松田IC~御殿場ICを例に挙げると、従来は上下線とも2車線でしたが、交通量の増加に対応するため、それまでの下り線を左ルート、それまでの上り線を下り線の右ルートに転換しました。

 これにより、下り線が左右のルートそれぞれ2車線の計4車線に増え、さらに上り線が新たに3車線で造られたことで、上下線ともに車線が増加したのです。

 ほかの4区間も共通して、工事の難易度や用地の確保など課題が多かったことから、「すでに敷設した道路をそのまま使用しつつ、同じルートを通る道路を新しく建設する」という手法を取ることで、右ルートと左ルートに分かれる道路ができあがっています。

「右ルート」「左ルート」基本的にどちら選んでも問題ありません

 なお、右ルートと左ルートの分岐に差し掛かったときは、基本的にどちらのルートを選んでも問題ありません。

 ただし、東名高速道路下り線の大井松田IC~御殿場ICの間にある「鮎沢PA」と、名神高速道路の「大山崎JCT・IC」は、左ルートからしかアクセスできないため、利用する際は左ルートを選択しましょう。

 先述のように、基本的に所要時間に大きな差はありませんが、その構造上、追い越し車線を走行しているクルマが右ルートへ、走行車線を走行しているクルマが左ルートへと流れやすいため、比較的速度の速いクルマが右ルートへ流れやすい、という話もあります。

 また、「左ルートからしかアクセスできない施設のある道路では、左ルートの交通量が増えるのではないか」と考えられるものの、現在のところ所要時間に大きく影響は見られないようです。

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