ホンダ「プレリュード」が復活することが決定しました。かつては「デートカー」としてもてはやされたモデルですが、新型もデートカーとして通用するのでしょうか。
■新型「プレリュード」どんなモデルで登場する?
1978年から2001年にかけて、ホンダはミドルサイズクーペの「プレリュード」を販売していました。5代目で終了しましたが、なんと2025年に復活することになりました。
1978年から2001年に販売されたかつてのプレリュードは、可変バルブタイミングリフト機構の「VTEC」や後輪を操舵する「4WS」など、当時のホンダのさまざまな先進技術を搭載した、運転が楽しいクーペとして人気を集めました。
なかでも、1982年にデビューした2代目モデルでは、リトラクタブルヘッドライトを装備した低いボンネットがスタイリッシュなフロントスタイルを作り出し、ワイド&ローのプロポーションが若者に受け、総生産台数60万台以上の人気のモデルとなっています。
1980年代後半から1990年代初頭にかけての「バブル景気」では、クルマを持つことがステータスとされており、若者の間で「デートカー」が支持されました。
プレリュードもその波に乗り、デートカーとして一世を風靡。斬新なデザインが女性から支持されたほか、程よく狭い車内は運転席と助手席の距離も近く、助手席リクライニングレバーが運転席から操作できる位置にあってシートを容易に倒すことができる機能が備わるなど、デートカーとしてもてはやされました。
また、1987年にフルモデルチェンジした3代目は、好評だった2代目のコンセプトを受け継ぎ、正常進化させたことでこちらも大ヒットを記録しています。
現在は、クルマには快適性や実用性、経済性が求められており、趣味性の強い2ドアクーペはラインナップを減らしていますし、デートカーという言葉も“死語”となり、耳にすることはなくなりました。
そんななか、24年ぶりに復活するプレリュードは、どのようなモデルになるのでしょうか。
新型プレリュードのコンセプトモデルは、「ジャパンモビリティショー2023」で世界初公開され、市販化に向けたプロトタイプモデルが「東京オートサロン2025」で披露されました。
新型プレリュードは、「シビック」に採用されているプラットフォームと、ハイブリッドシステムのe:HEVを利用して開発。クーペとあって、全長とホイールベースはシビックよりも短いですが、外観は伸びやかで流麗なスタイリングです。
インパネなどの内装デザインは、水平基調でシビックに近いもの。運転席から助手席にかけて細長いメッシュの装飾パネルが備わり、エアコンの吹き出し口が内蔵されています。
2ドアクーペのため、室内は5ドアハッチバックのシビックよりも狭いものの、それでも後席の足元空間には相応の余裕があるでしょう。2+2の4人乗りなので、短距離であれば後席に乗車することも可能となるようです。
パワーユニットは、シビックと同じ2リッター直列4気筒エンジンとスポーツハイブリッド「e:HEV」を組み合わせて搭載。そして新型プレリュードでは、新たな機能として、「ホンダS+シフト」を採用します。
このホンダS+シフト作動時には、ステアリングホイールに装着されたパドルスイッチで疑似的な変速操作を行えるというもので、トルコンATに似た運転感覚が味わえるでしょう。
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新型プレリュードに「デートカーの要素があるのか?」ということを考察してみると、SUVやミニバンが主流となる現代において、スタイリッシュなスポーツクーペは斬新に映り、デザインに惹かれる女性は多いかもしれません。
また、後席が備わるのも女性にとっては重要なポイントとなり、狭い車内はバッグなどの置き場に困るものですが、後席に荷物を置くことができるのは4人乗りクーペならではのメリットとなりそうです。
ハイブリッドであることもデートカーとしてはうってつけで、ドライバーの男性はシームレスな加速が楽しめますし、静かな室内で会話も楽しめることは女性からも支持されるところでしょう。
なお、新型プレリュードにMTの設定がないことを残念がる声もあるようですが、最近はAT限定免許を取得する人も多く、MTも運転できる普通免許を持っていても全く運転していないという人にとってはかえって好都合かもしれません。
MT車でエンストしたり坂道発進で失敗したりというミスが起きない新型プレリュードは、よくよく考えてみるとデートカーにピッタリなモデルだといえそうです。