2025年1月7日にトヨタが発売した「アルファード/ヴェルファイア」の一部改良では最廉価モデル「Xグレード」が追加されました。コストパフォーマンスを追求した構成となっていますが、一体どのような顧客層に向けたクルマなのでしょうか。
■アルファードの「8人乗り最廉価モデル」の仕様とは?
トヨタは2025年1月7日に高級ミニバン「アルファード」と「ヴェルファイア」の改良モデルを発売しました。
そのなかで特に注目を集めているのが新たに導入された最廉価仕様「Xグレード」です。
このモデルは、アルファードとしての高級感を維持しつつ、コストパフォーマンスを追求した構成となっていますが、一体どのような顧客層に向けたクルマなのでしょうか。
アルファードは2002年に市場へ登場し、2008年にアルファードが2代目へとフルモデルチェンジした際にヴェルファイア(初代)が加わりました。
以降、両モデルは高級ミニバンの代名詞として国内外で高い人気を誇り、2023年6月には現行モデルが発表され、アルファードは4代目、ヴェルファイアは3代目となりました。
今回の一部改良では、最廉価グレード「X」の追加が大きな注目ポイントとなっています。
外装はシーケンシャルターンランプやデイタイムランニングランプが省略され、ホイールは17インチのシルバー仕上げとなっています。
また、ボディカラーは「プラチナホワイトパールマイカ」と「ブラック」の2色に限定。
内装も簡素化されており、ダッシュボードには専用の「グラファイトメッシュ」パターンが採用され、シート素材はファブリック仕様で、ヒーターやベンチレーション機能は搭載されていません。
しかし、シートレイアウトはアルファード唯一の3列シート8人乗りを採用。
2列目に6:4分割の3人掛けシートを採用しており、チップアップ機能を活用することで荷室を拡張可能です。
3列目にはスペースアップシートが搭載され、座席を跳ね上げて5人乗車の対応も可能です。
一方で、安全装備については「トヨタ セーフティセンス」を標準装備しており、プリクラッシュセーフティや全車速追従型レーダークルーズコントロールが備わっていますが、高度な運転支援機能の一部は省略されています。
パワートレインには2.5リッター直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用しており、燃費性能と走行性能のバランスを実現。
価格設定も魅力的で、2WD(FF)は510万円(消費税込、以下同)、4WDは532万円と、アルファードの中では最も手の届きやすい価格帯となっています。
■Xグレードを求めるユーザーとは?
そんなパッケージにまとめられている仕様のXグレードは、どのような顧客層に支持されるのでしょうか。
まず、家族連れや子育て世代にとって、コストパフォーマンスの高さは大きな魅力です。
多人数乗車が可能でありながら、価格を抑えた構成は、ファミリー層にとって非常に実用的です。
また、荷室の拡張性が高いため、アウトドアや旅行が趣味の人々にも適しています。
さらに、高級ミニバンの入門モデルとして、アルファードブランドを初めて選ぶ層にも支持されるでしょう。
これまで高価格帯のアルファードに手が届かなかったユーザーにとって、Xグレードは手軽に高級感を体験できる選択肢となります。
車内装備がシンプルであるため、メンテナンスや長期的な維持費の軽減も期待できる点が、購入を後押しする要因となるでしょう。
一方で、Xグレードは“高級感”というアルファードの代名詞にやや影響を与える可能性もあります。
装備の簡素化によって、高級車としての満足度を重視するユーザーには物足りなさを感じさせる場合も否定できません。
しかし、その分実用性を重視したい層にとっては、アルファードブランドの新たな価値を提供するモデルとなっています。
総じて、Xグレードは家族層や実用性を重視するユーザー、そして初めて高級ミニバンを選ぶ層にとって大きな魅力を持つ1台と言えるでしょう。
価格と装備のバランスを取ったこのモデルは、多様な顧客ニーズに応える新しい選択肢として、今後の市場で大きな存在感を発揮することが期待されます。