Infoseek 楽天

「寝たからお酒は抜けたはず…」 後を絶たない「飲酒運転」 気になる「お酒が抜ける目安」は? 「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」は何が違うのか

くるまのニュース 2025年1月24日 9時10分

連日のように報道される「飲食運転」。最近では各地で飲食運転により事故などの報道も出ています。巷ではお酒を飲んだあとに仮眠すれば大丈夫と言われていますが、具合的にはどのくらい仮眠すれば良いのでしょうか。また「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」は何が違うのでしょうか。

■後を絶たない「飲酒運転」 気になる「お酒が抜ける目安」とは?

 ドライバーの中には、お酒を飲んだ後に車内で仮眠をとってから運転をする人もいるようです。
 
 実はこのような行為は飲酒運転につながる可能性がありますが、一体どのような点に注意すべきなのでしょうか。

 2025年1月19日、福岡県久留米市の道路上において飲酒運転をしたとして、26歳の男が酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕されました。

 この事案は19日の午前5時40分ごろ、警察官がライトを点けずに走行するクルマを発見し停止を求めた際、運転手の男から酒の匂いがしたため呼気を調べたところ、基準値の4倍のアルコールが検出されたものです。

 男は警察の調べに対し、「市内の居酒屋やバーで焼酎を6~7杯飲んだ。クルマの中で5~6時間寝たので酒は抜けていると思った」などと供述しています。

 このニュースに対してはインターネット上で「何時間寝たからもうアルコールは抜けただろう、は自分の勝手な思い込み」「加害者にならなかっただけ幸運と思え」など厳しい声が寄せられています。

 その一方で「何時間経過すればアルコール基準値を下回るか知らない」との意見も聞かれ、体内でアルコールが分解されるのにどの程度の時間を要するか分からないという人も散見されました。

 実は今回の事案のように、お酒を飲んだ後に仮眠をとってからクルマを運転するドライバーは少なからず存在しますが、このような行為は飲酒運転につながるおそれがあります。

 では、一体どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。

 そもそも飲酒運転は、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類に分類されます。

 まず酒気帯び運転は呼気中のアルコール濃度によって違反かどうか判断され、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上で酒気帯び運転として検挙されます。

 酒気帯び運転の場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されますが、行政処分の内容は呼気中のアルコール濃度によって異なります。

 具体的には、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満であれば違反点数13点で免許停止処分。

 そしてアルコール濃度が0.25ミリグラム以上の場合は違反点数25点で免許取消し処分となります。

■「酒気帯び運転」と違う…「酒気帯び運転」とは? どのくらい経てばお酒は抜けるのか?

 次に酒酔い運転は、フラフラしている・正しく受け答えができないなど、アルコールの影響によって車両等を正常に運転できないおそれのある状態で運転することをいいます。

 なお、酒酔い運転は呼気中のアルコール濃度に関係なく、客観的に見てドライバーがお酒に酔っているかどうかで判断されます。

 酒酔い運転で検挙されると5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるほか、違反点数35点で免許取消しの行政処分を受けます。

 飲酒運転をすると大きな事故を起こす危険だけでなく、免許取消し後から数年は再び免許を取得できないといったデメリットもあります。

新年会が多いイマの時期に気をつけたい飲食運転

 また、たとえ飲酒運転をするつもりがなくても、体にアルコールが残る「二日酔い運転」をしてしまうケースも少なくないため注意しましょう。

 アルコールの分解にかかる時間は体重や性別、体質などによって個人差はあるものの、一般的に男性の場合、生ビールの中ジョッキ1杯分(500ミリリットル)のアルコールを分解するのに4時間以上(女性は5時間以上)もの時間が必要とされています。

 日本酒1合やワイン200ミリリットル、チューハイ350ミリリットルを飲んだ場合も、生ビールの中ジョッキ1杯分と同程度の分解時間がかかると考えられています。

 飲酒量が増加すれば、当然それにともなってアルコールの分解時間も長くなるといえるでしょう。

 あまり知られていませんが、飲酒後に4時間眠った場合と4時間眠らずにいた場合のアルコールの分解速度を調査した研究によると、眠った場合の方がアルコールの分解が遅れることが明らかになっています。

※ ※ ※

 アルコールの分解には予想以上に時間がかかることから、飲酒をした翌日はクルマを運転せず公共交通機関を利用する、家族に送迎してもらうといった対策が必要です。

 もし、運転しなければいけない場合にはアルコールチェッカーなどで確認するなど、適切な対応が求められます。

この記事の関連ニュース