日産京都自動車大学校は、往年の名車「ケンメリ・スカイライン」を近未来風にアレンジした「NEO SKYLINE(ネオ・スカイライン)」を東京オートサロン2025でお披露目しました。「NEO SKYLINE」は、どのようなクルマなのでしょうか。
■現代版ケンメリ?
2025年1月10日~12日に幕張メッセで開催された東京オートサロン2025に、日産京都自動車大学校は「NEO SKYLINE」を出展しました。
このクルマは「ケンメリ」の通称で親しまれ続ける4代目日産「スカイライン」をオマージュしつつ、現代的なデザインを融合させて仕上げられた1台です。
全国に5校ある「学校法人日産学園 日産自動車大学校」は、次世代の自動車整備士やエンジニアを育成する目的で設立された日産直系の専門学校です。
車体制作やカスタム技術を中心に学ぶ「自動車整備・カスタマイズ科」がある京都校と愛知校では、生徒たちが4年間で学んだことを反映させた卒業制作とも言える作品車両を東京オートサロンで披露するのが通例となっています。
日産京都自動車大学校の4年生が今季の東京オートサロンに出展した「NEO SKYLINE」のモチーフは「ケンメリ」こと、1972年に登場したC110型4代目スカイラインです。
3代目スカイラインから続く、ケンとメリーという恋人たちをイメージキャラクターとしたCMキャンペーンにより、4代目スカイラインは累計販売台数約66万台の大ヒットを記録し、現在でも「ケンメリ・スカイライン」の愛称で呼ばれています。
また同車は、スカイラインのトレードマークとなっている4灯テールランプが最初に採用されたクルマであり、2ドアハードトップ車の独特なファストバックスタイルも根強い人気の理由となっています。
一方、制作のベース車両となったクルマは2003年〜2007年まで製造販売されたスカイラインクーペ(CV35型)です。
日産京都自動車大学校の生徒たちは「ケンメリの魂を宿したクルマを作りたい」との想いから、スカイラインクーペをベースにケンメリを現代的にアレンジしつつ近未来的なイメージを持つNEO SKYLINEの制作に着手。
スカイラインクーペをベースとしてはいるものの、原型を残すのはルーフ周りとドアミラーのみであり、その他の外装はすべて一から製作されています。
こだわりのフロントフェイスはケンメリの特徴的なデザインを踏襲しつつ、特殊形状のLEDヘッドライトやウィンカーを埋め込むことで現代的な雰囲気を演出。
ケンメリスカイラインの独特なファストバックのシルエットに加え「サーフィンライン」と呼ばれる特徴的なプレスラインも大胆に再現されており、レトロフューチャー感を強めています。
塗装は、ケンメリ登場初期のイメージカラーである「ブライトブルーメタリック」に、パールを加えたオリジナルカラーで仕上げられ、色名には製作者の名前を入れた「トモアキブルー」と名付けられました。
また、車名につけられた「NEO」は「新しい」を意味するだけでなく、多くの意味を込めているとのことです。
ケンメリ世代とも言える50代の人に向けては「Nostalgia(懐旧)」。スポーツカーのようなクルマが今よりずっと身近だった40代に向けては「Enthrall(魅了)」。旧車のデザインが新鮮に感じられる30代に向けては「Originality(独創)」。
それぞれの頭文字を入れ込んだネーミングとして「NEO SKYLINE」と名付けたそうです。
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「NEO SKYLINE」は、日産京都自動車大学校の生徒たちが学んだ技術の集大成であり、制作期間は6ヵ月に及んだとのことです。
日産京都自動車大学校は今季の東京オートサロンに、ステーションワゴンである日産「ステージア」に、最新の「フェアレディZ」の顔を移植した「Zリーリア」も出展していました。