LUUPは公式SNSで、首都高に誤進入した利用者のアカウントを凍結したと発表しました。一体何が起きたのでしょうか。
■ついに「悪質利用者」排除の動き しかし「対策不十分」指摘も
電動キックボードシェアサービスのLUUPは2025年1月21日、公式SNSで首都高に誤進入した利用者のアカウントを凍結したと発表しました。
一体何が起きたのでしょうか。
この事案が起きたのは、2025年1月18日の未明です。首都高羽田線に1台のLUUPが侵入したのです。
そもそも、LUUPは「特定小型原付」に区分され、首都高だけでなく高速道路に入ることは禁じられており、この時点ですでに「道路交通法違反」の不法侵入ということになります。
また、特定小型原付は最高速度が時速20キロに制限されています。一方、首都高羽田線の最高速度は60キロで、多くのクルマが60キロかそれ以上を出しているのが現状です。
さらに、この出来事は真夜中だったため交通量は比較的少なかったようですが、むしろ夜間だと、日中よりも空いているためスピードが速く、タクシーなどが100キロほどでかなり飛ばしていることもあります。
周囲のクルマはビュンビュンと通過していく状況のなか、目一杯スピードを出しても20キロしか出ず、ノロノロと進むLUUP。ヘルメットの着用義務はなく、シートベルトやエアバッグといった安全装置もありません。
また、羽田線では道路のつなぎ目やアップダウンも目立ちますが、小型のタイヤが前後に2つあるのみで、段差があればふらつくことも考えられます。
この不法侵入の様子は、たまたま居合わせてドライブレコーダーに記録していたユーザーがSNSに投稿。多方面に拡散され、「恐ろしい」「迷惑」「規制して」など、非常に危険な行為だとして大きな話題になったのです。
そして今回、ついにLUUPの運営が動き出しました。不法侵入を行った者のアカウントを特定し、「金輪際LUUPを利用させない」という“無期限凍結”の大きな処分が下されたのです。
LUUPは「LUUPの車両(特定小型原動機付自転車・自転車)での高速道路への進入は重大な法令違反であり、ご自身のみならず周囲のドライバーの命にも関わる危険な行為です。絶対におやめください。
このような行為に対して、当社としては今後も厳正に対処するとともに、関係機関と連携の上、再発防止に努めてまいります」と発表。危険な行為をやめるように強く呼びかけるとともに、こうした不法行為に厳しく対処するとしています。
いっぽう、SNSでは「氷山の一角」「いやいや、危険な運転は高速道路だけじゃないって」「毎日見るよ。2ケツしてるやつ」「一方通行の一般道の逆走とか歩道を走ったりとか車バイク進入禁止のとこで走るのも多発してる」と、各地で不法行為が確認されているようです。
また、「せめて自動車運転免許くらい要求して」「免許証必須にすべき」と、交通ルールや法令遵守の認識の甘さから、無免許で運転できる制度を見直しすべきという意見もあります。
さらに、「危険な走行を片っ端から無期限停止にして欲しい」「重大事故が起こってからでは遅い」「使う人の常識がなければいずれ同じことは起こり得ますよ」「アカウント凍結だけって緩すぎ」と、現状での対策の不十分さを追求するコメントも見られました。
なお、首都高では2024年12月に、3号渋谷線を電動キックボードが不法立入する動画を公開。
「高速道路上での電動キックボードの使用は禁止されています。命に関わる重大事故につながるため、絶対にやめてください」と警鐘を鳴らした矢先の出来事でした。
多発する誤進入や不法侵入に対して、運営サイドによる厳しい対処が求められます。