2023年7月に新エネルギー商用車のファブレスメーカーとして設立されたZO MOTORS(ゾウモーターズ)が2025年1月15日に事業説明会を実施し、登壇した花田晋作CEO・代表執行役社長が日本市場へのEVトラック導入など、今後の事業展望について話しました。
■今後はBEVトラック6車種を日本に導入予定
2023年7月に新エネルギー商用車のファブレスメーカーとして設立されたZO MOTORS(ゾウモーターズ)が、2025年1月15日に都内で事業説明会を実施し、登壇した花田晋作CEO・代表執行役社長が日本市場へのEVトラック導入など、今後の事業展望について語りました。
ゾウモーターズは、香港に拠点を持つZO FUTURE(ゾウフューチャー)グループからの出資を受けて設立された日本法人であり、日本で車両開発、車両販売、アフターサービスを実施し、実際の車両生産は中国にあるOEM工場によって行うことで、一部の部品の共有化などを果たして車両価格を圧縮する手法がとられています。
現在は日本のほか、香港、アメリカ、中国、シンガポール、カンボジアにも進出していますが、日本では特に中近距離の輸送にフォーカスを当て、車両総重量3.5t~7.5tクラスのBEV(電気自動車)トラック6車種を今後導入する予定とのことです。
現在、日本国内のトラック市場においては、ハイブリッド車が減少傾向となり、同じく新エネルギー商用車である水素自動車も伸び悩んでいるのが現状で、逆にBEVは徐々にコストが下がってきたことで需要が増加しているというデータがあると花田氏は話します。
BEV商用車のメリットとしてはバッテリー駆動による騒音低減の実現や、エンジンを搭載しないことで定期的なオイル交換が不要になるほか、部品モジュール化によるメンテナンスコストの圧縮を挙げており、有事の際にはV2L(Vehicle to Load)によって電源を供給できるオプションがある点も魅力としています。
現在、ゾウモーターズがリリースしているBEVトラックの「ZM6」は日本市場の調査をするために導入されたもので、実際に顧客に使用してもらい、そこから出た意見を基に新製品の開発を進める予定とのことです。
ZM6は、満充電で180kmの航続距離を持つ車両総重量6tクラスのトラックで、主にラストワンマイルの輸送を担う車両としており、2024年10月から実際に川崎市内の住宅街に車庫や営業所がある運送会社で実証実験がスタートしていて、今後はここで得た知見をもとにさらなる開発を続けるとしています。
また商用車として使う上で必要不可欠なアフターサービスについては、一般社団法人日本自動車車体補修協会(JARWA)に加入して全国でサービスを提供する体制を整えたほか、日本ロードサービス(JRS)と業務提携を行うことで、24時間365日対応可能な全国規模のロードサービスのサポート体制を整えるなど、ユーザーの安心にもつながる取り組みも実施しているそうです。
今後は、2025年中に300台、2026年には800台、2027年には2100台の販売台数を目標としているとのことで、街中でゾウモーターズのBEVトラックを見かける機会が増えるかもしれません。