スマホの地図アプリをカーナビとして使用する人が増えており、スマホホルダーを設置して運転するケースが見受けられます。しかしスマホホルダーの設置場所によっては、違反になってしまうことがあるようです。
■「スマホホルダー」設置しちゃいけない場所はどこ?
近年、カーナビの代わりにスマートフォン(スマホ)の地図アプリを利用する人が増えていますが、スマホの設置場所によっては違反と見なされることがあります。
一体どういうことなのでしょうか。
カーナビは画面が大きくて操作しやすかったり、音声がクルマのスピーカーから流れてくることから快適に使えます。
しかしカーナビは購入・装着する費用が高く、データの更新でさらに費用がかかることもあって、スマホを使い慣れた世代では、カーナビではなくスマホの地図アプリで十分という声も挙がっています。
スマホであれば追加でお金を払うことなく、いつでも最新のマップと情報を利用することができるため、市販のスマホホルダーを設置して、運転中にスマホの地図アプリをカーナビ代わりに使用する人が増えているのです。
ただし、スマホホルダーの取り付け位置によっては違反とみなされることがあります。
まず、スペースも広く、スマホホルダーの取り付け位置の候補にあがりやすいダッシュボードは、実は「グレー」な設置場所です。
取り付けるのは可能ですが、運転席に座ってフロントを見渡した際に、高さ1mの円柱が問題なく視認できる位置に取り付けなければなりません。
これは、道路運送車両の保安基準第21条「直接前方視界の技術基準」に記載されており、問題なく1mの円柱が見えている状態だったとしても取り締まりの対象になりやすく、避けた方が無難な場所だといえるでしょう。
この「直接前方視界の技術基準」はスマホホルダーに限らず、ぬいぐるみや小物類などさまざまなものに該当するので、基本的にダッシュボードの上には何も置かないようにするのが賢明でしょう。
また夏の炎天下ではダッシュボードが非常に高温になることもあり、スマホの動作の面でもスマホホルダーを設置するのは注意が必要です。
そして、目線に近い場所であるフロントガラスですが、ここにスマホホルダーを取り付けるのはアウトです。
ドライブレコーダーや防犯カメラ・車間距離測定器・通信機器以外はフロントガラスに設置してはいけないと、「道路運送車両法の第3章(道路運送車両の保安基準)」で定められています。
また、スマホホルダーを取り付けるとその部分が死角となって運転に支障が出る恐れもあり、フロントガラスに取り付けるのは避けましょう。
つまり、スマホホルダーを設置して問題ない場所は、エアコンの吹き出し口などがあるダッシュボードの前面や、それよりもっと下の方のコンソール付近ということになります。
いずれも正しい運転姿勢の際の目線からは若干下にスマホホルダーが位置することになりますが、運転中は画面を見ることがないように注意しましょう。
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カーナビはクルマが走っている間は必ず操作ができないようになっているので、カーナビの操作が原因での事故は起こりにくいと言えます。しかしスマホはいつでも操作ができるため、運転中でも操作ができてしまい、「ながら運転」が問題になっています。
実際に、運転中にスマホを操作したことによる事故も起きていることからも、罰則が厳しくなっているのは、安全を守るために仕方ないことなのかもしれません。
スマホをナビ代わりにする際は、わずか数秒だけで自分が思っている以上にクルマは進んでしまうということを自覚し、くれぐれも運転中に画面を注視しないようにすることが大切です。