クルマのエンジンをかけた時に一瞬だけ「謎の魔法のランプ」が点灯しますが、このランプにはどんな意味があるのでしょうか。もし走行中に点灯したらどのように対処すればいいのでしょうか。
■「謎の魔法のランプ」の意味は?
クルマのエンジンをかけた時に一瞬だけ「謎の魔法のランプ」が点灯しますが、このランプにはどんな意味があるのでしょうか。
もし走行中に点灯したらどのように対処すればいいのでしょうか。
メーターパネルにはさまざまなマークのランプがありますが、中にはエンジンをかけた時にしか見かけないランプもあります。
その中でも魔法のランプのような形のマークは「油圧警告灯(エンジンオイルランプ)」といい、エンジンオイルの油量が少なくなったり、油圧が下がったりした時に点灯するものです。
例えば、何らかの理由でオイルが漏れ出した可能性があるほか、オイル交換のメンテナンス不足により油量が減少していることも考えられます。
さらに、オイルポンプや圧力センサーの故障によっても油圧警告灯が点灯することがあるため、注意が必要です。
十分な量のオイルがエンジン内を循環しないと、エンジンの潤滑や清浄ができなくなるほか、エンジン内部のオイル圧力が低下し、エンジンが焼き付いて正常に動かなくなるなどクルマの重大な故障に繋がります。
さらに油圧警告灯がついた後も走行を続けた場合、エンジンから発火して車両火災が発生する恐れがあるため、できるだけ早く停車することが大切です。
油圧警告灯について、トヨタ「ヤリス」の取扱説明書では、エンジンオイル圧力の異常が発生した時に点灯し、警告ブザーが鳴る仕組みになっているといい、ランプがついた時には「ただちに安全な場所に停車し、トヨタ販売店へ連絡してください」と案内しています。
もし走行中に油圧警告灯が点灯したら、そのままの走行は絶対にしてはいけません。安全な場所に停車した上で次のような対応が必要です。
まず、一般道であれば近隣の駐車場や路肩の広い場所など、後続車の妨げとならない場所に停車しましょう。
高速道路では全線で駐停車禁止となっているため、最寄りのサービスエリアやパーキングエリアに停車するか、インターチェンジから一般道に回避することが大切です。
もしやむを得ず路肩や路側帯など本線上で停車してしまった場合は、ハザードランプを点灯し、クルマの後方に発煙筒や三角標示板などを設置して、後続車に故障車があることを知らせます。
その後は車内に残らずガードレールの外側など安全な場所に移動し、近くに設置されている「非常電話」または「110番」「道路緊急ダイヤル(#9910)」で故障状況を通報しましょう。
こういった走行中のトラブルを防ぐためにも、エンジンオイルの定期的な交換が必要ですが、一般的には前回の交換から半年または走行距離5000kmのどちらか早いほうのタイミングでの交換が推奨されています。
クルマのエンジンが始動しているときは、エンジン内部をオイルが常時循環する仕組みとなっており、使うにつれてオイルが汚れて性能が落ちていくほか、空気に触れることでも酸化などの劣化が進むため、走行距離に関わらず定期的な交換が必要です。
交換時期は自分で把握しておくことが大切ですが、運転席側のドア付近には、次回交換時期を示したステッカーが貼られていることもあるため、チェックしてみるといいでしょう。
※ ※ ※
警告灯にはエンジンオイルランプ以外にもさまざまなものがありますが、ランプの色や形は国際規格(ISO)によって定められており、世界共通となっています。
そのため、輸入車も含め、どのクルマでも同じようなランプが表示されます。
特に赤色は重大な故障の恐れがある「危険」を表すため、エンジンオイルランプに限らず、走行中に赤いランプが点灯した時はすぐに安全な場所に停車して、ランプの示す内容を確認し、必要に応じて販売店に連絡するなど対応しましょう。