クルマの燃料が少なくなると、「燃料残量警告灯」という、黄色いガソリン給油機のマークが点灯し、速やかな給油が必要であることを告知されます。しかし、ガソリンスタンドが近くになく、すぐに給油できない状況もあるでしょう。燃料残量警告灯が点灯してから、何kmぐらい走れるものなのでしょうか。
■黄色い「ガソリン給油機マーク」に要注意!
クルマの燃料が少なくなると、「燃料残量警告灯」という“黄色いガソリン給油機”のマークが点灯し、速やに給油するよう告知されます。
しかし、ガソリンスタンドが近くになく、すぐに給油できないという状況もあるでしょう。
では、クルマは燃料残量警告灯が点灯してから何kmぐらい走れるもので、そして給油できずに「ガス欠」を起こしてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。
燃料残量警告灯の仕組みとしては、燃料液面に浮かんだフロート(液面の上下により燃料の面位を計測する装置の一部)が上下するのをモニターすることで、燃料の残量を計測し、残量が少ない場合に運転者に告知するものです。
そして役割はもちろんガス欠を回避させるためのものであり、先述したように、警告ランプが点灯した場合は速やかに給油することが求められます。
万が一給油が間に合わずガス欠を起こしてしまった場合は、ハザードランプを点け、走行可能なうちにクルマを路肩など安全な場所に移動させましょう。
そして安全な場所に停車させた後は、ハンドルを壁や縁石の方向に切って、発煙筒や三角停止板を設置し、ロードサービスなどに救援を依頼します。
もし燃料残量警告灯が点灯した場所が高速道路の場合、基本的には「50km間隔」でサービスエリアやパーキングエリアにガソリンスタンドが設置されています。
しかし中には100km以上離れている区間もあり、一般道よりもガス欠に陥るリスクが高いため注意が必要。
高速道路でガス欠を起こしてしまった場合は、一般道と同じく、路肩など安全な場所にクルマを移動させ、乗員は車内にとどまらず、ガードレールの外側に移動して安全を確保する必要があります。
以上のことから、燃料残量警告灯が点灯していなくとも、燃料の残量が少ないことが分かっている状況では、すぐに路肩に移動できるように、左側の車線を走りましょう。
ちなみに、高速道路上でガス欠を原因として停車した場合、「道路交通法第75条の10」に違反し、違反点数2点にくわえ、乗用車であれば反則金9000円が科せられる場合があるので、あわせて注意が必要です。
■「ガソリン警告灯」が点いてから、何km走れるの?
燃料残量警告灯が点灯したあとの走行可能距離について、自動車販売店の担当者に話を聞いたところ、以下のような回答がありました。
「もちろん車種や使用燃料によって異なる前提ですが、一般的には約50km走行できる設計です。
これは高速道路に設置されているガソリンスタンドの間隔の距離ともいわれていおり、最低限以上の距離には対応できるようにできています。
それでも、走行速度や渋滞の有無、乗車人数、エアコンの使用、タイヤの空気圧など、燃費を変動させる走行環境は1つではありません。
高速道路のような安定的に走行できる環境では燃費が伸びる傾向にありますが、地方の山道のような勾配が激しく、ガソリンスタンドも近隣にないような環境では、とくにトラブルが発生しやすくなります。
そのため、どこかに遠出する際は、可能な限り早い段階で燃料を満タンにしておくことが望ましいでしょう」
このように、燃料残量警告灯が点灯してから走れる距離は50kmが目安となっており、点灯したからといってすぐにガス欠になるわけではないため、まずは落ち着いて運転することが大切です。
また、燃料残量警告灯が点灯した時点での「燃料残量」と、乗っているクルマの「燃費性能」が分かれば、おおよそ走れる距離を計算することも可能。
たとえば。燃料残量警告灯が点灯した時点でのこり5Lで、燃費が15km/Lであれば、走れる距離は約75kmです。
一例として、国産車でもっとも燃費の良いトヨタのコンパクトカー「ヤリス(ハイブリッド・2WD)」であれば、残り5.4Lで燃料残量警告灯が点灯し、WLTCモードの燃費が36km/Lなので約194km走れる、といったように、愛車の性能を把握していれば、より安心して対処することができるのです。