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全長4m以下で“6人”乗り! ホンダ「超コンパクト”ミニバン”」がスゴイ! 全ドア「スライドドア」で超便利そうな斬新すぎる「W.O.W」とは

くるまのニュース 2025年1月28日 18時10分

ホンダは2005年10月に開催された東京モーターショーで出展した愛犬家のためのコンセプトモデル「W.O.W」とはどのようなクルマだったのでしょうか。

■“愛犬”のための「W.O.W」

 世界各国で行われるモーターショーでは多種多様なコンセプトモデルが出展され、未来のモビリティの姿を各自動車メーカーは提案しています。

 そのコンセプトモデルの中には、新しいカーライフそのものを提案してくることがあり、単に最先端の技術や前衛的なデザインを披露するだけではない多様性がそこにあります。

 2005年10月に開催された「第39回東京モーターショー」でホンダは、新しいモビリティライフを提案する新発想ワゴンを出展し、大きな反響を呼びました。

 そのコンセプトモデルは「W.O.W Concept(以下、ワウ)」という車名で、愛犬と一緒にカーライフを楽しむ新提案をしたものでした。

 当時よりホンダは、愛犬とのカーライフを応援するWEBサイト「Honda Dog」や各種イベントを運営しています。

 そんなホンダが「もっと親密でもっと楽しい愛犬との生活を提案する」と伝えたワウはコンパクトなボディに、ホンダが得意とする独自の低床化技術を活かして広々とした空間を確保しました。

 また、愛犬を安全に乗せられるクレートや、爽やかな風を取り込むフレキシブルアウトレットなど、愛犬の快適さを追求した工夫を満載。さらに、ルーフ中央を凸形状にすることで、室内を自由に移動できるセンターウォークスルーを実現。犬と人がより良い関係を築けるように設計されていました。

 ワウの車名は、犬にも人にも優しい「Wonderful Open-hearted Wagon」のそれぞれの単語の頭文字から取られていたとのことで、ホンダはこの新しいワゴンで、愛犬との豊かなモビリティライフが広がることを期待していました。

 ボディサイズは、全長3960mm×全幅1720mm×全高1680mm、ホイールベース2680mmで、キビキビした走りと使う楽しさを予感させる低重心でワイドなスタンスのフォルムとなっていました。

 また、ワウでは愛犬と快適に過ごすための、新しい発想の空間づくりがされていました。

 インテリアは「テラスデッキ」をテーマに開発、ウッドフロアを採用し、愛犬と快適に過ごせる空間を徹底的に追求。ウッドの自然な温もりと、異素材を組み合わせたインストルメントパネルの先進的なデザインが、新しい空間の魅力を演出していました。

 さらに、助手席前のリッドを開けると、小型犬用のインパネクレートが現れる仕組みを採用。通気性を考慮したメッシュ加工が施されたフロントとサイドにより、快適で安心な環境を提供するとともに、助手席の乗員と向かい合わせで愛犬との親密な移動時間を楽しめる工夫が凝らされていました。

 シートレイアウトも独創的で、コンパクトワゴンには珍しい4席独立シートを採用し、フロア下にエクストラシートを追加して6人乗車も可能としています。また、エクストラシートのシートバックを座面のパッドを起こしてセンタークレートにチェンジし、中型犬を乗せることができる”4人+ワン”乗車も可能としていました。

 加えて、電動スイングスライドドアと7:3の観音開きテールゲートを装備し、低床フラットフロアとワイドに開くドアで、愛犬も人も乗り降りしやすいパッケージングとなっていました。

 特徴的なのは、前後ドア4枚ともに電動スライドドアを採用し、前席ドアは車両前方方向に開き、後席ドアは車両後方に開く大開口タイプとしていたことでした。

 ワウのパワートレインについての情報はありませんでしたが、愛犬とのカーライフを全面的にバックアップするコンセプトモデルとして、多くの愛犬家から好感的な反響を呼び話題となりました。

 愛犬家のためのコンセプトモデル、ワウの影響を直接的に受けた市販車はありませんが、ワウのお披露目の3年後に登場した初代フリードは、ホンダ独自の低床化技術を活用した広い空間設計や、人とペットの快適性を両立させるという理念が反映されている部分があります。特に、ペット用のアクセサリーや装備が選べる点に、ワウの影響がうかがえます。

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