2025年1月10日から12日まで開催されたカスタムカーイベント「東京オートサロン2025」では、2024年10月に発売されたばかりのスズキ新型「フロンクス」をいち早くカスタマイズした「フロンクス シーバス ナイトゲーム」が注目を集めていました。
■超ワイルドだけど「実用的」なのがスズキらしい!?
2025年1月10日から12日までの3日間、世界最大級のカスタムカーイベント「東京オートサロン(TAS)2025」が開催され、さまざまなカスタムモデルが出展されました。
なかでも、2024年10月に発売されたばかりのスズキ新型「フロンクス」をメーカー自らいち早くカスタマイズした「FRONX SEA BASS NIGHT GAME(フロンクス シーバス ナイトゲーム)」について紹介します。
スズキの世界戦略モデルであるコンパクトSUVのフロンクスは、2023年4月にインドで発売されたのを皮切りに、中南米、中近東、アフリカ市場などに投入され、国内では2024年10月16日より発売されたばかりのニューモデルです。
日本仕様のパワートレインは、1.5リッターマイルドハイブリッドエンジンを搭載。6速ATと組み合わされ、前輪駆動(FF)のほか積雪地の多い日本専用として4WDも設定しました。
全長3995mm×全幅1765mm×全高1550mmと、全長4m以下に抑えられた非常にコンパクトなサイズ感ですが、クーペ風の流麗でスッキリしたフォルムと、安定感あるボディ下部形状という組み合わせの妙により、スタイリングはサイズ以上の存在感をもっています。
またブラック×ボルドーカラーで仕立てた上質なインテリアなど、スポーティかつ高級な仕立ても魅力です。
スズキは、そんなデビュー間もない新型フロンクスをいち早くカスタマイズしたコンセプトモデルを製作し、TAS2025に出展しました。
フロンクス シーバス ナイトゲームのコンセプトは「都会の夜釣り」。
ルアーフィッシングで人気の高いシーバスですが、その和名は「スズキ」。つまりスズキに乗って、都会の夜の港や河口でスズキを釣ろうというワケです。
洗練されたスマートなイメージの新型フロンクスに対し、TAS2025のスズキブースに展示されたフロンクス シーバス ナイトゲームはベース車以上に大きく映ります。
これはワイルドさを増したカスタマイズによる効果で、フロント10mm、リア20mmのリフトアップやオフロードタイヤ装着のほか、オリジナルのフェンダーアーチ追加で車幅を40mm拡幅しました。
ボディカラーはマットなダークカラーの柄模様をベースに、後部や細部に蛍光イエローがあしらわれています。
会場に居合わせたスズキの担当デザイナーによると、黒いフェンダーアーチに差し色のように入った蛍光イエローのパーツは、釣り竿を立てかけるためのバーだと説明します。
またクオーターパネルの蛍光イエローのパーツはゴムバンドになっており、釣り用の手袋を外した時にサッとはさめるよう工夫したのだとか。
単なるオシャレではなく、こうした実用性もしっかり盛り込むあたり、スズキの実直すぎるクルマづくりを垣間見ることができます。
内装も、外装同様にダーク系と蛍光イエローの組み合わせにコーディネートされました。
シートなどは撥水加工が施された素材に、フロアマットも防水・防汚性の高いものにそれぞれ変更されるなど、こちらもデザイン性だけではなくしっかりと実用性が考慮されたものとなっています。
このように高い完成度を誇るフロンクス シーバス ナイトゲーム。
あくまでも参考出品モデルであり、そのままの状態で販売するのはなかなか難しいかもしれませんが、盛り込まれたアイデアの一部は今後何らかの形で市販化されるかもしれません。
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デザイナーのこだわりはコンセプトモデルに留まらず、フロンクス シーバス ナイトゲームのイメージでデザインされた「ルアー(疑似餌)」も製作しています。
これは、スズキと同じ静岡県浜松市に本拠地を置く世界的な釣り具ブランド「Megabass(メガバス)」とのコラボによるもの。夜釣りにも最適な蛍光イエローも、フロンクス シーバス ナイトゲームぼディカラーと色合いを揃えています。
スズキではこれまでも、デザイン部のデザイナー監修によるオリジナルグッズ「SUZUKIデザイナーズコレクション」を販売していますが、今回のルアーもTAS2025のスズキブースにて、1本3500円(消費税込み・限定100本)で販売されました。