Infoseek 楽天

全長5m超えの「トヨタ巨大ミニバン・シエナ」現る! 期間限定で無料乗車可能! お台場周辺を自動でドライブ!? 乗った印象は?

くるまのニュース 2025年1月26日 8時30分

トヨタのミニバン「シエナ」をベースに、MONETが調達した車両2台(運転の自動化レベル2)を使用して、自動運転技術を用いた移動サービスが始まりました。乗った印象はどうだったのでしょうか。

■日本未発売の「シエナ」で自動運転を堪能!? 果たしてどんな印象だった?

 日本市場でトヨタのラージミニバンといえば「アルファード」「ヴェルファイア」の名が挙がります。

 その知名度はアジアでも高く、特にアルファードはブランド化され人気も高いです。

 一方でトヨタには海外で専売されている全長5mを超える大きなミニバンが存在します。

 そんな日本未発売のシエナが、2025年1月22日から一部エリアで乗車することも可能となっているようです。

 1997年にトヨタが海外向けモデルとして初代シエナを北米市場に投入しました。

 現行となる4代目は2020年末より北米を中心に展開され、この世代から全車ハイブリッドとなっています。

 なお初代から3代目までは米市場向けのみに展開されていましたが、4代目では米国工場分をカナダ、メキシコ、台湾、韓国に輸出。中国向けは現地生産して、グローバルで販売されています。

 シエナのボディサイズはグレードや仕様により異なるものの北米のXSEグレードでは全長5184mm×全幅1993mm×全高1770mm×ホイールベース3060mmと大きなサイズです。

 日本で販売されるアルファードの全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mm×ホイールベース3000mmよりもひと回り大きいことがわかります。

 過去には日本のショッピングモールにて参考展示した他、トヨタ「ノア/ヴォクシー」のメディア試乗会に展示したこともありました。

 また2023年6月からは東京都・竹芝にてシエナが目撃され、SNSで話題となりました。

 これはソフトバンク 先端技術研究所が2023年1月から「自動運転のレベル4の解禁に向けた実証実験」として行っているものでした。

 2024年8月には、ソフトバンクとトヨタが共同出資会社しているMONET Technologiesが「自動運転技術を用いた移動サービスを2024年度後半に開始」という発表を行っています。

 MONET Technologiesは、渋滞や過疎地での移動難民など交通インフラ、物流業などドライバー不足といった社会課題の解決を目的に設立されました。

 その課題に対しては、コネクティッド・自動運転・シェアリング・電動化の総称となる「CASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)」や、マイカー以外のすべての交通手段による移動を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ概念「MaaS(Mobility as a Service)」などで対応していくとしています。

 これまでも全国各地でCASE・MaaSを活用した取り組みを行っており、なかでも有人・無人それぞれのMaaSを中心に様々なサービスを展開してきました。

 今回の発表では「トヨタのミニバン『シエナ』をベースに、MONETが調達した車両2台(運転の自動化レベル2)を使用して、自動運転技術を用いた移動サービスを提供します」と説明しています。

 そして、2025年1月21日にはメディア向け取材会が行われ、翌22日から一般の利用者が乗れる試験運用が開始されました。

 このシエナをベースとした車両は2台用意され、共に「XLEグレード」ボディサイズが全長5250mm×全幅2100mm×全高1980mmとなり、乗車人数は6名です。

 車両制御自体はトヨタのインターフェイスを装備し、センシングデバイスとしてMay Mobility,incのLiDAR5個、カメラ8個、レーダー5個、GNSS1個を搭載しています。

 そして、この車両を運行するシステムなどをMONETが行っているのです。

 なおこの一般利用は2025年1月22日から2025年3月中旬の平日10時から16時まで。

 利用エリアは、東京臨海副都心(有明・台場・青海地区)の公道で、国際展示場駅、東京テレポート駅、東京ビッグサイト、シティサーキット東京ベイという4カ所の乗車場を合計12ルートで走行するものです。

 なお利用者は、MONETが提供するアプリ「MONET」を使って予約をします。

■日本ではレア!? トヨタ「シエナ」に乗った印象は? 自動運転ってどんな感じ?

 そんな自動運転で走る日本未発売のシエナに試乗した印象はどうだったのでしょうか。

 今回は、国際展示場駅から東京テレポート駅の区間に乗ります。

 なお自動運転技術を用いた移動サービスといっても、今回はアクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方が部分的に自動化された状態を指す「運転の自動化レベル2」というものです。

 そのため現状では、万が一を想定してセーフティドライバーが運転席に乗り込んでいます。

 今回用いられた車両と従来のシエナで違うのは、前述のように至るところにセンシングデバイスとしてLiDAR、カメラ、レーダー、GNSSなどを搭載。さらに公募により描かれた可愛らしい絵柄がラッピングされている部分です。

 そしていざ後席に乗り込みますが、助手席には各センシングデバイスを制御する機械らしきものがあり座れません。

 またセンターコンソールや2列目天井にモニターが設置されており、センターコンソールのモニターではセーフティドライバーが乗降の設定を行います。

 2列目天井のモニターでは、センシングしている状況がリアルタイムで分かるほか、手動運転・自動運転の切り替え表示もされます。

 そしていざ、走り出しますが、想定していない路上駐車などがある場合には安全のためにセーフティドライバーがハンドルを握り、出発直後はほぼ手動運転でした。

 また自動運転になった後も横断歩道のある大きな交差点の右折などでは、アクセルとブレーキの切り替え制御がギクシャクするなどまだまだ改善が必要な場面も。

 ただし、すでに一般利用前には車両制御に関するチューニングを行い、ブレーキ部分の改良を伴うソフトウェアアップデートが行われていたようで、さらなる進化が求められるかもしれません。

 その後、下り坂ではうまい具合に減速をするなどアクセルワークの制御は上手に行っていました。

 なお当初の自動運転は時速40kmを制限としていると言い、今後の実証次第では速度の見直しも検討されるようです。

 場面は複数車線がある道にかわり、1番左の車線に路上駐車があるとその度にセーフティドライバーがハンドルを握って車線変更をします。

 さらにはある程度の速度から減速して交差点を左折する際にも、曲がった先に路上駐車がいるためセーフティドライバーがハンドルを握るなど、国際展示場駅から東京テレポート駅という短い区間の間でも多くの場面でセーフティドライバーが介入しており、手動運転と自動運転のギクシャク感が出ている印象を受けました。

乗車中は天井に備え付けられたモニターで周囲のセンシング状態や手動・自動に切り替わりを知ることができる

 なお今回のようなセーフティドライバーが介入した場面であっても現状のシステムとしては自動運転で対処は可能だと言います。

 しかしながら、日本の公道において安全を担保する限りは、ある程度の領域でセーフティドライバーが介入しなれければならないのが現状なようです。

 なお今回の実証結果によって、今後は無人運転での運用を検討するとしていると言います。

※ ※ ※

 今回の自動運転は、あくまでもアクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方が、部分的に自動化された状態です。

 そのため前述の人が介入する場面が多いことや、ギクシャク感があるのは、ある程度はしょうがない部分もあります。

 それでもすでに市販車に搭載されている最新のACCや、レクサス「LS」やホンダ「レジェンド」のレベル3などのほうが滑らかな制御を行っていることも。

 さらに、すでに海外や国内の一部実証実験では、セーフティドライバーが介入しないでも問題なく自動運転を行っているケースもあります。

 しかし日本の公道においては、当たり前ですが「安全第一」が最優先ということもあり、交通量が多い都市部で中々難しい面があるもの事実です。

 そうしたなかで今回のMONET Technologiesでは「一般利用者を乗せる」という次のステップに進んだことは良い面かもしれません。

 今後、これらの実証実験が行政や医療など様々なMaaSに活かされることを期待したいところです。

この記事の関連ニュース