トヨタの最高峰ショーファーカー「センチュリー」は2023年10月、セダンに続きSUVのようなボディタイプで登場しました。そんなセンチュリーを購入するにあたっては、どのようなハードルがあるのでしょうか。
■トヨタの最高峰「センチュリー」は値段も最高峰!どうやったら買えるのか
日本が誇るショーファーカーと言えばトヨタ「センチュリー」の名が挙がります。
購入するには高いハードルがあるようですが、どのような条件があるのでしょうか。
センチュリーは、1967年から続く長い歴史を誇る、国産最高峰のショーファーカーです。
現在新車で販売されているのは2018年に登場した3代目となるモデルの「センチュリー(セダンタイプ)」。
そして、2023年にはSUVのような形をしたモデルが追加され、トヨタのカタログなどでは「センチュリー」と表記。SUVとは書かれてないものの、特徴的な形状から、通称「センチュリーSUV」とも呼ばれています。
そんなセンチュリーは完全受注生産となっており、販売店の軒先などで目にすることはまずありません。
最高峰のショーファーカーともなると、やはり購入のハードルは高いのでしょうか。
センチュリー(セダンタイプ)/センチュリーSUVともに、歴代センチュリーの性能と品質を磨き続けてきた「匠の技」により作られています。
また細部にも日本独自の繊細な美意識やおもてなしの心をトヨタ随一の高品質に具現化。
パワートレインは、センチュリー(セダンタイプ)が5リッターV型8気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車。
センチュリーSUVは、3.5リッターV型6気筒エンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド車です。
価格はセンチュリー(セダンタイプ)が2008万円、センチュリーSUVは2500万円となっており、販売ではセンチュリーを取り扱うための独自資格となる「センチュリーマイスター」が行います。
センチュリー(セダンタイプ)/センチュリーSUVの価格は、200万円代で購入できるクルマが何種類もあるなか、その10倍以上の価格であるセンチュリーは、紛れもない高級車です。
一般的に、自動車を購入する際には、年収の30%から50%程度の金額がちょうどいいと言われています。
この計算にあてはめると、センチュリーを買うために必要な年収は5000万円から8000万円となり、とても現実的ではありません。
年収の50%を超えてクルマにお金を注ぎ込むことを前提としても、一般的なサラリーマンの年収で維持していくことは非常に難しそうです。
センチュリーはもともと、企業や官公庁の重要人物を後部座席に乗せて移動するために作られたクルマ。一般人が買うことは想定されていないのかもしれません。
また、センチュリーを購入する際には、普通のクルマと異なり、特別な手続きが必要になります。
■センチュリーの購入には「面談」必須!? なんのために面談があるのか
では、実際にセンチュリーを購入したい場合、どのような手続きを踏めばよいのでしょうか。
都内のあるディーラーの担当者は、次のように話します。
「実際にセンチュリーをご希望のお客様がいらっしゃった場合、私たちではなく『センチュリーマイスター』という資格を持った専門のスタッフがご案内することになります。
センチュリーマイスターにお繋ぎした後はご購入に向けて面談をしていただき、購入の手続きを進めていきます」
また、各種トヨタ販売店の公式ホームページによると、面談申込の際にはフォームの入力が必要です。
そのフォームを元に面談の可否を判断するため、場合によっては面談する前に購入を断られてしまう可能性もあります。
面談を行う背景は様々ですが、その中のひとつが転売の防止です。前出の担当者は審査について、次のように話します。
「審査には様々な理由がありますが、転売されることを防止することもそのひとつです。
法人で申し込む場合はその法人の、個人で申し込む場合は勤務先の事業内容などをチェックし、転売の可能性があるかを確認します」
トヨタの最高峰であるセンチュリーの転売が横行してしまうと、センチュリーやトヨタのブランドイメージが損なわれてしまうほか、本当にセンチュリーを必要としている人のところに届きにくくなってしまいます。
そのためトヨタはこうした面談制度を設け、ブランドイメージを保護しているのだといえます。
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センチュリーを購入したい場合は、まとまった金額を用意した上で、マイスターとの面談で購入を認められる必要があります。
一般人にとっては非常にハードルは高く、ほとんどの人にとって縁がない存在だといえるでしょう。
現在道路を走っているセンチュリーは、そうした条件のもと世に出た貴重な1台であるということができます。
クルマの背景を知ると、街中で見かけた時の印象も大きく変わるかもしれません。