クルマを運転していると、道路に白い「ひし形」のマークが描かれているのを見かけます。一体どのような意味を表しているのでしょうか。
■謎の「白いひし形」意味わかる?
クルマを運転していると、道路に白い「ひし形」のマークが描かれているのをよく見かけます。
とても重要な意味を持つマークでありながら、正しく意味を理解しているドライバーは4~5割程度しかいないのが現状だといわれます。
この白いひし形マークは、一体どのような意味を表しているのでしょうか。
道路に描かれたひし形マークは、別名「ダイヤマーク」ともいい、その意味は「前方に横断歩道または自転車横断帯あり」。
そのため、横断歩道や自転車横断帯の手前約50mと30mの位置に、1つずつ描かれています。
ただしすべての横断歩道や自転車横断帯の手前に描かれているわけではなく、「信号機がない」「道路または交通の状況によりクルマが充分に認識できない」という場所に限って描かれるマークです。
そして、このひし形マークを見たときにドライバーが取るべき行動は、簡単にいえば「速度を落とす」こと。
道路交通法第38条第1項によると、「車両等が横断歩道や自転車横断帯に接近するときは、渡ろうとしている歩行者や自転車がいないことが明らかな場合を除いて、直前で停止できるような速度で進行しなければならない」と定められています。
歩行者や自転車が渡ろうとしている場合は、一時停止して譲らなければなりません。
また、道路交通法第38条第2項を見ると、「横断歩道や自転車横断帯の手前で停止している車両があるときには、その車両の影から歩行者や自転車が出てくる可能性があるため、車両のそばを通って前方に出る前に一時停止をしなければならない」と記載。
さらに道路交通法第38条第3項や道路交通法第30条では、横断歩道や自転車横断帯の手前30m以内での追い越し、追い抜きが禁止されています。
つまり、道路にひし形マークの描かれた上記のような場所では、基本的に歩行者や自転車を警戒して速度を落とし、必要とあれば一時停止もしなければならないということです。
■ルールを認識しているのは「わずか4割」?
JAF(日本自動車連盟)が毎年実施している「信号機のない横断歩道での歩行者横断時におけるクルマの一時停止状況全国調査」によると、2024年の調査では一時停止率が53.0%となり、過去最高の結果を記録しました。
上記のように停止率は年々上昇しており、これは良い傾向とも取れますが、それでも約半分のクルマが未だに一時停止していないという状況も見えてきます。
また、山梨県警が2020年に2600人を対象に実施したアンケートでは、ひし形マークの意味を正しく回答できた人は約4割しかおらず、まだまだ認知度の低さが浮き彫りとなっているのが現状です。
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このように、道路に描かれた白いひし形マークは、前方に「信号機がなくクルマが充分に認識できない」横断歩道や自転車横断帯があらわれることを示すもの。
言い換えれば、交通事故が起こりやすい危険な場所を予告したマークですから、この場所では歩行者や自転車を警戒して速度を落とし、ときには一時停止も必要だと覚えておきましょう。