CLSを展開する株式会社ESBは、「東京オートサロン2025」にてダイハツ「コペン」を改造したCLS/STANCEMAGIC「COPERCHE 887 GT-K」を発表しました。同社が「力作」と語るその仕上がりは、どのようなものなのでしょうか。
■ミニポルシェの正体は…!
2025年1月10日にCLS/STANCEMAGICは、2025年1月に幕張メッセで開催された「東京オートサロン2025」にて、ダイハツ「コペン」をベースとしたカスタムカー「COPERCHE 887 GT-K」をお披露目しました。
軽スポーツカーでおなじみのコペンに高級スポーツカー・ポルシェ「911」の要素を組み合わせた1台です。
株式会社ESBは、大阪府羽曳野市に本社を構え、オリジナルエアロパーツの企画や販売、ドレスアップカー製作から新車・中古車販売まで幅広く手がけている企業です。
コペンは、2002年に初代モデルが発売された軽自動車規格のスポーツカーで、軽市販車では初となる電動油圧ポンプの開閉式ルーフが採用されました。
2014年にはフルモデルチェンジした2代目が登場。ユーザーが自由にボンネットフードやバンパーを着せ替えできるユニークな「Dress-Formation」構造が特徴的です。
CLS/STANCEMAGICはそんなコペンをベースとしたカスタムカー・COPERCHE 887 GT-Kを同社のブースで初公開しました。
ベースは、初代L880K型のコペン。レーシングカー風の出で立ちで一見すると完全にポルシェにも見えますが、実は「コペンだった!」という、多くの人の目を引くような1台に仕上がったようです。
特に、リアランプは初代コペンの丸みを帯びたデザインから911のリアランプに換装され、後ろから見ると本当にポルシェと勘違いしてしまいます。
このクルマの特徴やポイントなどについて、CLS/STANCEMAGICの担当者は以下のように話します。
「実は開催初日の前日に完成したばかりでギリギリまで作業に当たっていました。あくまでも、当社で扱っているホイールの宣伝のついでにドレスアップしたに過ぎず、言うなれば『究極の自己満足カー』だと思っています。
元々このクルマはコンバーチブルでしたが、より本物のポルシェ911 GT3(997型)に近づけるためわざわざルーフを作ってクーペ化したもので、接合作業が伴ってとても大変でした。
発案から造形まで、たった1人で9カ月という時間をかけて完成させた渾身の力作だと自負しています」
ほかにも、コペンとポルシェではサイズ感はもちろん細かな寸法の比率も全く異なるため、ただ単純にポルシェのスケールを縮小させるのではなくコペンに見合ったバランスでパーツをデザインする点に苦労したと言います。
さらに、よりパワフルな走りとなるようエンジンは従来の659ccのものから、同じダイハツ製の1300ccのエンジンに乗せ換えるなど、見た目だけでなくパワートレーンにも改造が施されています。また、車検対応としているので、このまま公道を走ることもできるようです。
では、どのような経緯からコペンをポルシェ風にカスタムしようと思ったのでしょうか。担当者は以下のように話します。
「初代コペンの特徴的な丸みを帯びたヘッドライトがポルシェに似ていたので、『小さくてかわいいポルシェがあったら面白いだろうな』と思ったのがきっかけで、このクルマを制作しました。
というのも、一時期コペン向けで『ポルシェ風』のエアロパーツを取り扱っていたことがあるのですが、最近になってそれをふと思い出して『もう少し本格的にカスタムしたらどうなるのかな?』と、興味本位で作ってみることにしたのです」
なお、エアロパーツなどの車体に取り付けた装備は、将来的に商品化する可能性は決してゼロではないとしつつ、制作に充てた労力が相当なものだったようで今のところパーツ販売でも市販化する予定はないとのこと。
※ ※ ※
完成度が高いがゆえにパーツ等の市販化予定がないのは少々残念ではありますが、オートサロンらしい「クルマいじり」が好きな人の夢を具現化したような1台と言えるでしょう。