スピード違反をした際、後日自宅に速度違反の通知書が届くことがあります。もし届いたらどうすれば良いのでしょうか。
■「あなたに速度違反の通知書が届きました」 どうなるの?
クルマを運転している上で気をつけたいのが「交通ルール」です。なかでもスピード違反(速度超過)は、事故になれば周囲への影響は計り知れません。
では基本的にはあり得ないですが、もし「速度違反自動取締装置」を光らせてしまってそのまま走り過ぎたらどうなってしまうのでしょうか。
警察庁が公表している「道路交通法違反の取締り状況」の統計によると、2023年中のスピード違反取り締まりの件数は88万8500件で、一時不停止の違反に2番目に多い件数となっています。
このように数ある違反行為のなかでも多いスピード違反ですが、取り締まり方法には大きく分けて3つの方法が存在します。
ひとつめは速度違反自動取締装置(通称:オービス)による取り締まりです。
中央分離帯または歩道上に設置され、 レーダまたはレーザーにより、走行車両の速度を測定し、自動的に違 反車両を撮影記録する装置です。
固定式オービス、持ち運びが可能な移動式オービス、そしてその中間の半固定式によってスピード違反の車両を検挙します。
速度違反自動取締装置は、その名のとおり一定の速度以上で走る車両を自動で写真撮影し、記録化することが可能で、違反車両のナンバー、車種、ドライバーの表情などを詳細に記録しています。
警察はオービスで記録された情報をもとに交通違反者の捜査をおこない、後日違反者に対して出頭要請をします。
ふたつめは、定置式の取り締まりです。
これは、道路脇などに速度計測器を設置して通行する車両の速度を測るもので、警察官がスピード違反車両を停止させる方法です。
また、レーダーパトカーを道路脇などに配置し、レーダーで車両の速度を測ってスピード違反車両を追跡するのも定置式取り締まりに含まれます。
みっつめは追尾式の取り締まりです。
パトカーや白バイがスピード違反の疑いがある車両の後方を一定の間隔を空けて走行しながら速度を計測し、マイクで違反車両を停止させる方法です。
定置式と追尾式の取り締まりについては、通常、警察官が違反車両を停止させて切符を切ります。
このようにいくつかの取り締まり方法が存在しますが、その場で取り締まりを受けなかった場合に後日、自宅に「速度違反の通知書」が届くことがあります。
この内容で警察署への出頭を命じられた場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。
■「あなたに速度違反の通知書が届きました」 埼玉県警察の回答は?
「あなたに速度違反の通知書が届きました」
通知書の内容について、埼玉県警察は次のように説明しています。(資料:「あなたに速度違反の通知書が届きました」より)
ーーー 通知書の郵送先は?
通知書は、撮影された違反車両の自動車検査証または車両番号標に記載されている車両所有者へ郵送されます。
警察では、刑事訴訟法198条を根拠に運転者(速度違反者)に対して出頭を求めています。
運転者と車両所有者が異なるのであれば、 運転者を出頭させて下さい。
ーーー 電話で測定された速度は教えてくれますか?
電話での回答は一切行っていません。
出頭した人が運転者であった場合、測定した速度を確認してもらいますが、運転者に対しても電話での回答は行っていません。(本人確認ができないためです)
また、出頭した人が運転者でない場合は、測定した速度を教えることはありません。
ーーー 出頭しないとどうなるの?
正当な理由がなく、再三の呼び出しに応じない場合は、強制捜査 の手続きに移行する場合があります。
運転者からの連絡があっても、故意に出頭しない状況が認められる場合も同様です。(出頭しない旨が記載された書類を提出した場合等です)
「仕事が忙しい」は、正当な理由とならない場合があります。車両所有者が、故意に運転者(違反者)を隠避(違反者の発見、 逮捕を妨げる)した場合、罪に問われる可能性があります。
ーーー 警察出頭後の手続きはどうなるの?
検察庁や公安委員会から通知が届きますので、その内容に従って下さい。
ーーー 出頭して直ぐに免停になるのですか?
速度違反の手続きで警察へ出頭した際、当日直ぐに免許停止処分となることはありません。
免許停止処分については後日、公安委員会からの呼び出しがあります。(出頭後、2週間から2か月位かかります)
ーーー 罰金はどれくらいですか?
警察では、罰金について判明しません。
後日、住居地を管轄する検察庁から呼び出しがあります。法律上は、6か月以下の懲役又は10万円以下の罰金となっています。
※ ※ ※
このように速度違反の通知書が届き、出頭命令が出た際には速やかに指定された場所に出向くことが望ましいです。
そもそもスピード違反をしないことが求められますが、もし後日自宅に通知書が届いた場合でも慌てずに対処することが大切です。