和歌山市郊外へむすぶ新たなバイパス道路「有田海南道路」の工事が進行中です。完成すればどう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んでいるのでしょうか。
■阪和道の「サブバイパス」建設中
和歌山市郊外へむすぶ新たなバイパス道路「有田海南道路」の工事が進行中です。
完成すればどう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んでいるのでしょうか。
有田海南道路は、和歌山県の海南市から有田市をむすぶ9.4kmのバイパスです。
和歌山県の沿岸部といえば、阪和道が紀伊田辺までを信号ゼロでむすび、さらに延伸区間が三重県までぐるっとつなぐ計画で整備進行中です。
しかし有田市街や旧下津町は阪和道から「取り残された」ような状況です。阪和道は海南ICからまっすぐトンネルで南下し藤並・湯浅の市街地へ直結していくルートだからです。
阪和道の恩恵を受けられない有田市~海南市は朝夕を中心に渋滞が激しく、通常時よりも最大12分余計な時間がかかるというデータが出ています。
こうした状況を解消するため、また災害時の緊急輸送路を有田市街までつなぐため、阪和道の「支線」のような形で整備されるのが、有田海南道路です。
全線が2車線道路。崖が海へ突き出した地形という地理的要因もあり、全長9.4kmのほとんどがトンネルです。市街地を丸ごとスルーするため、信号はわずかです。
着工は2015年。基本的に北側から完成していき、まず海南ICから700mの国道42号現道が4車線拡幅済みです。
転機となるのが2025年春で、JR冷水浦駅までの4車線化と、バイパス本体の小南地区までの2.9kmが一気に完成します。
小南では「道の駅 海南サクアス」に直結し、阪和道からの最初のトイレ休憩地点となります。岬沿いには塩津・戸坂・大崎といった漁港町が並び、昔ながらの情景を残しています。
さてその先ですが、有田市街側の1号トンネルが2024年に掘削開始。同時に地上区間の橋梁工事も先行して進められています。