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全長3m級の「ヤリス“ジュニア”」公開! “1万回転”回る「カワサキエンジン」×FRの「超コンパクトマシン」! まさかのトヨタ「iQ」ベースな埼玉自動車大学校の「“超ミニ”GRヤリス!?」とは

くるまのニュース 2025年1月29日 8時10分

オートサロン受賞実績もある「埼玉自動車大学校」が「東京オートサロン2025」に持ち込んだ車両の1台が「YARIS Jr χ(ジュニア カイ)」。トヨタ「GRヤリス」の外観が移植されたこの超コンパクトカーは、小さなボディにたくさんの秘密が隠されたクルマです。

■マイクロスポーツカー「YARIS Jr χ(カイ)」!?

「埼玉自動車大学校」は2025年1月10日〜12日にかけて開催された「東京オートサロン2025」に「YARIS Jr χ(ジュニア カイ)」を出展しました。

 今季の車両は3年前のオートサロンにも出展していたYARIS Jr χ(ジュニア カイ)をさらにアップグレードしています。どのようなクルマに仕上げられているのでしょうか。

 埼玉県北足立郡伊奈町に校舎を構える埼玉自動車大学校は、自動車整備のプロフェッショナルを育てるために設立された私立専修学校です。

 4年制の一級自動車整備科のほか、2年制の二級自動車整備科は修了後にさらなる専門的な技術習得できる各学科に進学できるようになっており、板金塗装を中心とした特殊外装技術を学べる「カスタムボディ科」は実習で制作した車両を毎年のように東京オートサロンへ出展しています。

 カスタムボディ科は1年制で定員20名と少ないためか小型のクルマを扱うことが多いようで、過去のオートサロンではコンパクトカーにホンダRB型「オデッセイ」の外観に改造した「Codyssey」や、スバル「360」を電動化して日産「フェアレディ(S30型)」風の外観に仕上げた「でんどう虫」など出展し、これまで何度も部門優勝を獲得しています。

 埼玉自動車大学校カスタムボディ科が今季のオートサロンに出展したYARIS Jr χも、トヨタの超小型車「iQ」をGRヤリス風の外観に仕上げたクルマです。

 2008年〜2016年まで販売されたiQは、一般的なコンパクトカーよりもさらに小さな全長2985mm×全幅1680mm×全高1500mmのボディに4人乗車可能なAセグメントのコンパクトカーです。

 小さくとも安全にはしっかりと配慮され、9個のエアバッグや発展型の横滑り防止装置などが装備されていたほか、2000mmの短いホイールベースでありながら目を見張るほど高い直進安定性を発揮しました。もちろん小回り性能も高く、iQの最小回転半径はわずか3.9mです。

 このiQにヤリスのフロントおよびリア外装を移植したのが埼玉自動車大学校のYARIS Jr χです。車両制作自体は過去の卒業生が行い、今季はそれをアップデートさせて出展しました。

 赤だったボディカラーは「GRスープラ」の純正色である「ライトニングイエロー」へ塗り替えられ、引き続き装着されるGRヤリス用のバンパーには「ガレージ・ベリー」のフロントリップスポイラーとサイドステップが追加されています。

 スポーツ走行の実現を目指し、エンジンは1万回転で200馬力以上を絞りだすカワサキ「ニンジャ ZX-14R」の1.4リッター直列4気筒エンジン「ZXT40EE」を流用。また本来のiQは前輪駆動ですが、YARIS Jr χは後輪駆動へと改装されている点も大きな特徴です。

 前回のオートサロン2022時点ではZXT40EEエンジンを車体後方に搭載したRRでした。しかし今季の車両は、埼玉自動車大学校の特別講師を務めるレーシングドライバー谷口信輝選手の要望もあってエンジンはフロントへ移設されFR化。しかも、車両は実際に谷口選手が筑波サーキットを走らせたというお墨付きです。

 FR化にあたってフレームを大きく切断することになったため、運転席横や燃料タンク付近を中心とした多くの箇所に補強を入れているそうで、制作には非常に苦労したとのこと。

 見た目はオートサロンではおなじみの顔面スワップ車両ですが、埼玉自動車大学校カスタムボディ科が一丸となって大改修を加えた今季のYARIS Jr χは、小さな外観からは想像できないほどの超大作です。

※ ※ ※

 埼玉自動車大学校のブースには、特別講師の谷口信輝選手がグッドスマイルレーシング&チーム右京で2024年シーズンを走らせた本物のスーパーGT300車両「グッドスマイル 初音ミク AMG メルセデス」も展示されていました。

 そして埼玉自動車大学校カスタムボディ科は、今季のオートサロンにもう1台を出展しています。それが「グッドスマイル 初音ミク AMG メルセデス」をスズキ「カプチーノ」で再現した「ミクチーノ」。

 ボディペイントの高い再現度はさることながら、本格的なサーキット走行ができるようにサスペンションやブレーキなどの各部にも手が加えられています。

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