「白地に青い矢印」の標識に対し、うっかり「一方通行」の標識と見間違えてしまう人がいるといいます。矢印標識が示す「意味」について、あらためて紹介します。
■わかりづらい!? 交差点の「青矢印」に戸惑っている人はいませんか
交差点で、一方通行の標識によく似た「白地に青い矢印」の標識がありますが、これに気づかず後続車からクラクションを鳴らされるクルマを見かけることがあります。
免許保有者ならば知らないといけないはずの“矢印”標識は、一体どのような意味なのでしょうか。
一方通行の標識は「青地に白い矢印」が描かれており、その矢印の方向にのみ進むことができることを示しています。
実はこの一方通行の標識とよく似た形で、色が反転した「白地に青い矢印」の道路標識も存在します。
白地に青矢印の標識が示すのは「左折可」で、その標識がある道路では正面の信号の色に関わらずいつでも左折ができることを表しています。
左折可の標識が設置されるのは、基本的に信号機によって交通整理がおこなわれている交差点です。
さらに原則として、左折しようとするクルマがいる道路も左折して進入しようとする先の道路も片側2車線以上あることや、左折を開始する側に横断歩道がないことなどが定められています。
このことから左折可の標識が設置できる交差点は限られており、地域によってはなかなか見かけない標識であるとも言えます。
さらに設置箇所は都道府県ごとにも偏りがあるようで、岡山県や奈良県などでは複数の交差点に設置されている一方で、まったく設置されていない県もあります。
そのため左折可の標識になじみがない人にとっては、この標識が出てきても何を意味するものか瞬時に判断できないかもしれません。
例えば、地元の人であれば標識に従って左折する場合でも、初めてその交差点を訪れた人は、正面の赤信号に従って信号待ちをしてしまい、後続車からクラクションを鳴らされたり、交通の流れを妨げとなって渋滞を誘発したりする可能性もあります。
その対策として、補助標識として矢印の標識の下に「左折可」と文字を表示させている交差点もあるほか、一部では矢印信号への切り替えが進められています。
■「左折可」標識を見かけたらいつも以上に注意すべき点とは
このように地域差が存在する“左折可”標識があるのは、やや特殊な交差点とも言えます。
この交差点で左折しようとする時は、いつも以上に注意して走行することが大切です。
例えば、後ろから原付や自転車が走行してくることも考えられるため、巻き込み確認は慎重におこないましょう。
また左折後に進入する道路のクルマの流れを確認しつつ進むことが大切で、左折先で合流待ちの列ができていることも考えられます。
左折する目前だけでなく、その先の交通状況を含めて広い視野で確認することが大切です。
さらに、左折可の標識のある交差点をよく利用する人は、前を走行するクルマがこの標識に気づかず直進車と一緒に赤信号で停止してしまうことを想定し、車間距離をしっかりと取って、すぐに止まれるように注意して走行しましょう。
なお、道路の形状によっては左折先の道路に合流するような形になっていることもありますが、あくまでも「左折」となるため、左ウインカーによる合図が必要です。
合図の出し忘れにならないよう注意しましょう。
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左折可の標識は人によってはレアな標識かもしれませんが、どのような意味の標識かきちんと把握しておくことが大切です。
この標識のある場所では常時左折ができるものの、周囲をしっかりと確認し、安全に通行することを心がけましょう。