スズキ「スイフトスポーツ」現行型の最後をしめくくる特別仕様車「ZC33S Final Edition」が発売されます。かねてから噂があった生産終了が確実となりましたが、販売店にはどのような声が寄せられているのでしょうか。またどのような人が注文したのでしょうか。
■熱心な「スイスポファン」からの注文殺到
スズキは2024年12月17日、ハッチバックスポーツカー「スイフトスポーツ」の特別仕様車「ZC33S Final Edition(ZC33S ファイナルエディション・以下ファイナルエディション)」を発表し、2025年3月19日に発売すると明らかにしました。
かねてから生産終了の噂があったスイフトスポーツですが、発表直後から販売現場でもかなりの反響があるようです。受注状況や納期について、実際はどうなのでしょうか。販売店に聞いてみました。
スイフトスポーツは、ベーシックハッチバック「スイフト」をベースとしたスポーツコンパクトカー。
軽量のボディに小気味良いエンジンを採用した本格的なスポーツカーながらも、手頃な価格に設定したことで、若年層を中心にファンを獲得しています。
4代目となる現行スイフトスポーツがデビューしたのは2017年9月のこと。気づけば8年近いモデルライフとなりました。
その最後を飾るモデルとして発表されたのが、ZC33S Final Editionというわけです。
このクルマは2025年3月から11月までの期間限定生産モデルで、メーカーからは台数限定モデルではないとアナウンスされています(ただし、ホームページでは「期間限定生産のため予定台数に達した場合予告なく販売を終了する場合がございます」と明記されています)。
そのいっぽうで、ベースモデルであるスイフトスポーツは2025年2月で生産終了となり、メーカーおよびディーラーの在庫がなくなり次第、販売終了となります。
ZC33S Final Editionのスペックは基本的にベースモデルと同じですが、内外装にさまざま専用品が装着されています。
外装では専用のフロントグリル、フォグランプベゼル、17インチアルミホイール、ブレーキキャリパー、Cピラーデカール、エンブレムなどを採用。
内装では専用のステアリングガーニッシュ、インパネオーナメント、ドアアームレストオーナメント、コンソールオーナメントといった具合に、スペックアップよりも特別感をあたえるドレスアップが中心です。
しかしながら、内装のオーナメントはチタンの焼色のようなグラデーションにするなど、特別仕様車に相応しい仕立てが随所に施された魅力的なモデルであることは確かです。
ZC33S Final EditionZの価格(消費税込)は、6速MT車が232万9800円、6速AT車が240万1300円となっています。
人気沸騰中のZC33S Final EditionZ、実際にはどのような反響があるのでしょうか。首都圏にあるスズキディーラーのスタッフも、あまりの人気ぶりに驚いているようです。
「大変申し訳ありませんが、当店(および系列の販売店)では、割り当て分はすべて完売となりました。
車両本体価格が240万円前後ということもあり、幅広い年代の方にご契約いただいております。なかには20代の方もいらっしゃいますね。
もともと発売前から注目度が高いモデルでしたが、現行スイフトスポーツのファイナルモデルということでご決断されたお客様が多かったようです。
さらに、迷っていたところに東京オートサロン会場で実車の人気ぶりを目の当たりにして、いてもたってもいられなくなってその足でディーラーに駆け込みご注文されたお客様もいらっしゃったと聞いています」
さらに、別の販売店でも人気ぶりを実感することとなりました。
「当店の割り当て分は完売しておりますが、系列店によっては多少の枠が残っているかもしれません。
メーカーのホームページにも『期間限定生産のため予定台数に達した場合予告なく販売を終了する場合がございます』と記載されていますね。
具体的な販売台数は公表されていませんが、事実上、台数限定モデルのような動きになってきました。
このモデルだけの特別な仕立てが随所に施されていますし、もし迷われていらっしゃるのであれば(急きたてるようで申し訳ありませんが)1日でも早いご決断を強くおすすめいたします」
今回取材した2店舗では、いずれも完売。やはり熱心なスイスポファンに“刺さって”いるようです。
またスイフトスポーツの特別仕様車であっても、標準モデルに対して+約20万円はまさにバーゲンプライス。まさにスズキの良心が凝縮したかのようなスペシャルモデルだといえます。
次期スイフトスポーツが発売されるかどうか、現時点ではアナウンスもなく未知数。仮にニューモデルが発売されるとしても、少なくとも数年先の話になるかもしれません。
熟成された現行モデルのファイナルモデルを存分に味わう価値は十二分にあるといえます。つまり「迷ったら買い」であることは間違いありません。