首都高は2025年1月24日、渋滞対策を含めた中期計画「首都高快適走行ビジョン2040」を発表。そのなかで、渋滞の激しい「大井JCT」「東海JCT」についても対策を実施すると明らかにしています。
■首都高有数の「車流交錯」区間
首都高は2025年1月24日、渋滞対策を含めた中期計画「首都高快適走行ビジョン2040」を発表。
そのなかで、渋滞の激しい「大井JCT」「東海JCT」についても対策を実施すると明らかにしています。
大井JCTは、湾岸線に中央環状線が接続するポイントです。
互いに行き来するランプだけでなく、大井南・中環大井南出入口のランプが合流・分岐し、さらに東行きは羽田線へ接続するランプもあり、車線変更を何度も強いられる「難関」です。
さらに大井JCTのすぐ南側にあるのが東海JCTです。
湾岸線西行きが分岐して羽田線へ合流し、反対側では羽田線北行きが分岐して湾岸線へ合流します。
たとえば渋谷方面から川崎大師や横浜駅西口、みなとみらい方面へ行きたい場合、大井JCTでいったん湾岸線へ出てから、東海JCTで羽田線へスイッチすることになります。
特にひどいのは、湾岸線の千葉方面に向かう東行きです。
東海JCTからわずか1.5kmのあいだに「大井南出口」「大井PA」「大井JCT分岐」と、「左分岐」イベントが連続して出現します。
そのため、湾岸線では左車線に交通集中。ドライバー達はいざ左分岐するときに左車線の車群に「ブロック」されることを恐れて、かなり前もって左車線を走ろうとします。
そんな「左車線交通だらけ」の状況に、東海JCTで羽田線から大量の交通が左からやってくるわけです。
当然、なかなか湾岸線へ合流することができず、後ろへどんどん詰まっていきます。これが地獄の東海JCTの合流渋滞です。
本線側も、大井南出口から出たいクルマが滞留し、後ろへどんどん車両詰まりを引き起こしていきます。
こうした悪名高い東海JCT~大井JCT付近に対し、ついに「2040年までに何とかする」という決意表明が出されました。「東海JCTの合流および近接する大井南出入口との車両錯綜」による渋滞を解消すべく、対策を検討するとしています。
具体的な検討は、これから始まっていきます。まだどのように構造が変わるのかは全く明らかになっていません。
ヒントとなるのが、「機能強化イメージ」として提示された模式図です。これによると、基本的には「付加車線増設」や「合流長延長」となることが伺えます。
今回の事例でいくと、羽田線からの合流が「ランプ2車線→合流直前に1車線」となっているのを、「ランプ2車線のまま合流。ランプ左車線はそのまま付加車線になり、右車線は湾岸線本線に合流」となる想定もできます。
もしこのような構造になれば、左車線は合流前の車線減少で詰まることなく湾岸線へ進入でき、右車線の合流滞留の影響を受けにくくなります。
もちろんこれは想定の一例にすぎませんが、朝夕を中心に「常に渋滞列がある湾岸線」の区間に、いよいよ本格的なメスが入っていきます。