青地に白い「四つ葉のクローバー」が描かれた丸いステッカーを貼っているクルマを見かけることがありますが、どのような意味があり、見かけたドライバーはどのような配慮をすれば良いのでしょうか。
■「四つ葉のクローバーマーク」配慮すべき理由とは
初心者がつける「若葉マーク」や高齢者の「紅葉マーク(カラフルな四つ葉マークもあり)」など、クルマに貼付することが義務または推奨されているマークがありますが、なかでも青地に白い「四つ葉のクローバー」が描かれた丸いステッカーを貼っているクルマを見かけることがあります。
この白いクローバーステッカーにはどういった意味があり、このステッカーを貼ったクルマを見かけたドライバーは、どのような配慮が必要なのでしょうか。
青地に白い四つ葉のクローバーが描かれた丸いステッカーは、「身体障害者標識(身体障害者マーク)」といいます。
これは、手や足などに障害のある「肢体不自由」の人が運転するクルマに貼られています。
車椅子を利用している人を始め、肢体不自由のある人も一定条件のもとで運転免許を取得することが可能です。
条件は、運転免許証の「免許の条件等」の欄に記載されるもので、足に障害がある人が普通免許を取得した時は、「普通車はAT車でアクセル・ブレーキは手動式に限る」といった条件が記載されます。
身体障害のある人が運転できるクルマとしては、各自動車メーカーから福祉車両が販売されています。
例えば、アクセルとブレーキを手で操作できるレバーが設置されていたり、ハンドルを片手で回せるノブが設置されたりなど、障害の度合いに合わせたさまざまな装置が用意されています。
肢体不自由のある人は、自分の身体の状態に合わせた装置を搭載することで、クルマの運転が可能です。
しかし、クローバーの描かれた身体障害者マークの貼付は、義務とはなっていません。
道路交通法第71条6の2では「(前略)自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて普通自動車を運転するように努めなければならない」とされています。
そのため、身体障害者マークをクルマに貼っていなくても、反則金や違反点数などの罰則はありません。
一方で、身体障害者マークを付けたクルマの周囲を走行するドライバーには、配慮義務があるため注意が必要です。
身体障害者マークを付けたクルマに対しては、危険防止のためのやむを得ない場合を除き、幅寄せや必要な車間距離が保てなくなるような進路変更(割込み)が禁止されています。
これらの行為は道路交通法違反に該当し、反則金6000円(普通車の場合)と違反点数1点が科される可能性があるので注意しましょう。
■「白い四つ葉のクローバー」と「車いす」マークの違いとは
なお車椅子の人が乗車しているクルマに、青地に白の車椅子が描かれた四角いステッカーが貼られているのを見かけることがありますが、これは身体障害者マークとは表している意味が異なります。
車椅子の四角いマークは障害者の国際シンボルマークであり、介護車両など車椅子を利用している人が乗車していることを示すマークとして活用されています。
しかし本来はクルマに貼ることを目的としたマークではなく、クローバーの身体障害者マークのような法的効力はありません。
そのため、国際シンボルマークを貼ったクルマに幅寄せや割り込みをしたとしても、交通違反には該当しません。
ただし、車椅子の人が乗車していることが考えられることから、安全のためにも幅寄せや無理な割り込みは避けたほうがいいでしょう。
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身体障害のある人が貼っているステッカーには、丸いクローバーのマークと、四角い車椅子のマークがありますが、このふたつのマークは意味が異なります。
特に丸いクローバーのマークを付けたクルマに対して無茶な運転をすると、交通違反となってしまうことがあるため、周囲を走行する時には余裕を持って安全に運転しましょう。