世界には様々なカスタムカーが存在しますが、「DragStar F1 Dragon」ほど衝撃的なデザインを採用したモデルはそうそう見ることはできません。
■本格“MR駆動”の「和製スーパーカー」!
バリュープログレスは、2011年に開催された「東京オートサロン2011」にて、「DragStar F1 Dragon(以下、ドラゴン)」というカスタムカーを出展しました。
非常にユニークなモデルであるドラゴンとは、一体どのようなクルマなのでしょうか。
バリュープログレスとは、クルマの板金修理や車検整備サービスなどを行う「白岩モーター商会」(福島県田村市)の車両開発事業部。
「和製スーパーカーを作りたい」という強い思いから1999年に発足し、過去の東京オートサロンにおいても様々なカスタムカーを出展してきました。
この記事で紹介するドラゴンも、そのような経緯によってバリュープログレスが開発した、衝撃的なスーパーカーです。
ドラゴンのボディサイズは、全長5200mm×全幅2160mm×全高1180mmと、まさにワイド&ローの一言。
ベースとなったのは、トヨタが1999年から2007年まで製造・販売していたオープンカーである「MR-S」で、新造のサブフレームによりホイールベースを1100mm延長。
さらにボディ剛性を求めるため、サブフレーム下にはメインフレームも通しています。
このような大規模なカスタムが施されているものの、車検にも対応しているので公道走行も可能。
エクステリアは、ロングノーズ・ショートデッキが特徴的なスタイルで、派手な赤色のボディが目を引きます。
インテリアも鮮やかな配色で、茶色いレザーを採用した座席や、赤と黒を組み合わせたチェック柄のフロアマットがスポーティな雰囲気を演出。
パワーユニットには、ベースのMR-Sに準じた1.8リッター直列4気筒エンジンを搭載し、最高出力140馬力・最大トルク170Nmを発揮します。
そんなドラゴンの特筆すべき点は、圧倒的な存在感のデザインでありながら、外装のパーツが基本的にボルトオンで作られており、カスタムの際には溶接や切断などの大幅な加工が不要ということ。
つまりボルト留めでパーツの搭載や交換ができるので、完全オーダーメイドで自由な形状にカスタマイズすることも可能だといいます。
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このように、発足の経緯である「和製スーパーカーを作りたい」という想いによって実現した、バリュープログレスのドラゴン。
同車自体は、「ドラッグマシンのようなロングノーズ・ショートデッキのスポーツカー」を目的に開発され、そのコンセプトどおりの特徴を備えた、市販車では比較対象の存在しないクルマとなりました。
バリュープログレスでは現在も様々なスーパーカーやスポーツカーの開発が続けられており、今後もどのようなクルマが出てくるか、引き続き注目です。