日本自動車大学校が「東京オートサロン2022」に出展した「COSMO VISION」というカスタムカー。多くの注目を浴びたモデルですが、一体どのようなクルマだったのでしょうか。
■マツダ「コスモスポーツ」の現代版!?
日本自動車大学校(略称、NATS)は、2022年に開催された「東京オートサロン2022」にて、「COSMO VISION(コスモビジョン)」というカスタムカーを出展し、多くの注目を浴びました。
このコスモビジョンとは一体どのようなクルマだったのか、紹介します。
コスモビジョンは、マツダが製造・販売しているオープンカー「ロードスター」をベースとして、同じくマツダが1967年から1972年まで製造、販売していた伝説的な2ドアクーペである「コスモスポーツ」を現代風に再現した、カスタムカー。
ちなみにコスモスポーツは、世界で初めて実用・量産に適したロータリーエンジンを搭載したクルマです。
そのエクステリアは、「軽量コンパクトなロータリーエンジンでなければ成しえないデザイン」を意識して開発され、全高1165mmという極めて低いボディ形状も特徴。
パワーユニットには、491cc×2ローターの10A型エンジンを搭載し、前期型は最高出力110馬力・最大トルク130Nmを、後期型は最高出力128馬力・最大トルク139Nmを発揮しました。
そしてこのような歴史のあるコスモスポーツを現代のクルマで再現すべく、日本自動車大学校の学生は、2015年モデルのロードスターをベースに作り上げました。
同車の特徴は、コスモスポーツの宇宙船を思わせるレトロフューチャーなデザインと最新モデルのテイストを融合すべく、様々なクルマのパーツを効果的に取り入れた点にあります。
まずヘッドライトには、フォルクスワーゲン「ニュービートル」のものを採用。
グリル、バンパー、メタル調の部分には、マツダのクロスオーバーSUVである「CX-5」のものを取り入れたほか、ウインカーはホンダがかつて製造・販売していた「インサイト」のものをボディ形状に合わせるように加工しつつ装着しました。
また足回りにはエアサスペンション(走行車高復帰機能つき)を採用し、停車時にはタバコの箱も入らないほど車高を低くすることも可能。
インテリアは、BRIDE社製のスポーツシートや、イタリアの老舗パーツメーカーであるNARDI社製のステアリングを採用していること。
パワートレインには、ベース車のロードスターと同じ1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載するほか、エアクリーナーやマフラーなどにも手をくわえて完成させました。
製作に携わった学生いわく、「コスモスポーツのサイドにあるラインの造形を再現するのに苦労し、フロントを延長している部分も加工やパテ処理で大変だった」とのことです。
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1972年に販売終了したクルマを現代風に再現した、COSMO VISION。
国内外メーカーのさまざまなクルマのパーツを流用し、古臭さを感じさせないデザインを完成させています。
ヘッドライトやテールランプなど、コスモスポーツの特徴をうまくとらえた、再現度の高い作品でした。