スバルが2003年のジュネーブモーターショーで披露目したコンセプトカー「B11S」に対して、その斬新なデザインにネット上では多くの反響が集まっています。
■斬新なスバル「B11S」に反響集まる!
スバルがこれまでに開発したモデルの中には、海外の名車を彷彿とさせるデザインを持つものも存在します。
その代表例が、2003年のジュネーブモーターショー(スイス)で発表された「B11S」です。
この4ドアクーペはスバルのボクサーエンジンを搭載しつつも、斬新なグリルやドアなど独自のパッケージを持ち、今も多くの自動車ファンからネット上で反響が寄せられています。
B11Sは、スバルが自社のデザインの未来を示すために開発したコンセプトカーであり、当時の社長・竹中恭二氏がコンセプト立案に関与。
デザインの指揮を執ったのは杉本清氏で、スバルらしい個性、革新性、そして勇気を体現する1台として生み出されました。
外観の特徴として、ジェットエンジンのエアインテークを思わせる「スプレッドウィングスグリル」が挙げられます。
この逆三角形のフロントグリルは、スバルの航空機技術とのつながりを象徴するものでしたが、同時にイタリアの自動車ブランドであるアルファロメオの盾型グリルを連想させるデザインです。
このデザインが発表される前の2002年には、アルファロメオ出身のデザイナー、アンドレアス・ザパティナス氏がスバルに加入しており、B11Sのデザインにも彼の影響があるのではないかと噂されたものの、スプレッドウィングスグリルのデザインは彼とは無関係とされています。
B11Sのユニークな点はデザインだけではありません。
観音開きのサイドドアを採用することで、後部座席へのアクセス性を向上させたほか、スモークガラスのグラスルーフを搭載し、柔らかい光の演出によって、スバルブルーで統一されたインテリアの質感を引き立てています。
パワートレインには、当時開発中だった6気筒の水平対向ツインターボエンジンを搭載。
最高出力は400psに達し、5速ATと組み合わされることでスムーズな加速性能を実現。
さらに、スバル独自の「シンメトリカルAWD」を採用し、卓越した走行安定性とハンドリング性能を備えていました。
しかしながら、このB11Sは最終的に市販化されることはありませんでした。
発売されなかったことに対し、ネット上では「このデザインで市販されていたら伝説になっていただろう」「今見ても斬新なデザイン、なぜ市販しなかったのか」「B11Sみたいにスバルはもっと挑戦的なクルマを出してほしい」といった惜しむ声が多く寄せられています。
とはいえ、B11Sで採用された技術やデザインコンセプトの一部は、その後のスバルの車両にも受け継がれており、水平対向エンジンやシンメトリカルAWDといった技術は今もスバルの代名詞となっています。