クルマのメーターパネルの中には、普段は光っているのを見かけないランプもあります。その中でも謎の「青いヨット」のようなランプは、意味を知らない人も多いのか、ネット上で話題になっています。一体どのような意味で、どのような声があるのでしょうか。
■「青いヨット」どういう意味なのか
クルマのメーターパネルの中には、普段は光っているのを見かけないランプもあります。
その中でも謎の「青いヨット」のようなランプは、意味を知らない人も多いのか、ネット上で話題になっています。一体どのような意味で、どのような声があるのでしょうか。
青い波の海面を、ゆらゆらと漂う青いヨット…まるで昼下がりののどかな湘南の海の風景を彷彿させます。
そもそもヨットは、幕末から明治にかけて日本へ導入されました。いわゆるレジャーとしての小型帆船で、機能的に目的の方向へ進めばいいというわけではなく、スピードやテクニックも重視される、いわば人間個人の肉体力とも密接に関係するスポーツへも昇華されることとなり、新たな価値観をもたらしたといえます。
もともと「ヨット」という言葉は、オランダ語で「狩猟」を意味するjaght(ヤハト)から来ています。17世紀にはイギリスなどヨーロッパ各地へレジャー船として広まり、英語ではyacht(ヨット)と綴られるようになりました。
さて、クルマのメーターパネルに表示される「青いヨット」の意味ですが、正式名称は「水温警告灯」です。
何の水温かと言うと、エンジン冷却用の「クーラント液」の温度です。
エンジンは稼働中どんどん発熱するため、冷却が必要です。しかし向かい風を受けるだけではなかなか冷えないため、クーラント液を循環させて、冷たい外気でエンジンを冷まし、エンジン熱を外気へ放出しているのです。
ただの水ではない理由は、冬に凍結して使い物にならなくなるのを防ぐため、凍結を抑える化学成分を混ぜているのです。
かつては「水温計」という独立したメーターがあり、それでエンジン周りの調子を認識できましたが、今はこの「ヨットランプ」に集約されている事情もあります。
さてこのランプ、エンジン始動時は、青く点灯しています。これはクーラント液が冷えているという意味で、しばらくすると温まってくるので、ランプは消えます。
もし「青く光ったまま」だと、「冷えたまま」であるということなので、熱いエンジンから熱を奪えていない可能性があります。何らかのトラブルかもしれないので、ディーラーや整備工場などで点検が必要です。
さらに「赤く光る」場合は、逆に「熱くなりすぎている」状態です。エンジンが過熱する可能性が高く、運転を中止する必要があります。
単なる過熱状態であれば、その場でしばらく冷ませばいいかもしれませんが、クーラント液の循環にトラブルを抱えているのが原因の場合も多いため、ディーラーや整備工場などで点検してもらうのが一番でしょう。
以上のように、「波とヨット」のランプは、エンジンと密接な関係があるのです。
なおトラブルの原因の中では、クーラント液が自然に減っていき、冷却機能を果たせていない状態の場合もあります。その場合はクーラント液を追加する作業が必要ですが、エンジンを切った直後などは熱湯状態になっていて、フタを開けた瞬間に熱い液体が噴き出してくる場合もあるので要注意です。やけどを避けるため、十分に冷えた状態まで待つか、プロに作業を任せましょう。
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基本的にエンジン冷却トラブルはそれほど頻繁に発生しないため、「エンジンをかけた瞬間だけ光る」という認識が多く、意外とその意味は知られていません。
ネット上でも「メーカーに『これなんか異常あるんですか?』と問い合わせしてしまった」「見慣れないランプがずっと点いてる!と電話が来たことあった」「取扱説明書に書いてあるけど、知らない人も多いんだろうな」「見たときはナニコレ?って思いました」「このマークなんですか?水陸両用てこと?」「ヨットって言ってきた人いたなあ。たしかにヨットに見えなくもない」という様々な声が見られます。
なかには「このマークを見て、これは海へ行けというメッセージなのだと思い、Uターンして海岸へ向かった。一面に広がる海原を見て、やっぱり来て良かった。マークはいつの間にか消えていた」という思い出を語る人もいました。