東京オートサロン2025にて、日産車のカスタムを強みとするクルウチが、R35「GT-R」の展示用フレームを出展しました。このフレームは、どのような意図をもって制作されたのでしょうか。
■R35GT-Rに6MT!?よく見たらエンジンもすごかった
東京オートサロンは日本一の規模を誇るカスタムカーの祭典で、毎年多くの人が訪れています。2025年は、幕張メッセで1月11日から13日にかけて開催され、多くのクルマ好きが訪れました。
そんな東京オートサロンの会場で、一際異彩を放っていたのが、三重県のオイル交換からカスタム・チューニングまで幅広く手掛けるカスタムショップ「CREWCH(クルウチ)」が出展したGT-R(R35型)の展示用フレームです。
クルウチはかねてより日産車のカスタムに力を入れており、当日はGT-Rのほかにも「フェアレディZ」や「400R」など、数々の日産車が展示されていました。
今回カスタムのベースとなったGT-R (R35型)は、長い歴史のあるGT-Rシリーズの最新モデルとして2007年に登場しました。
初期のモデルの最高出力は480psであり、前身となる「スカイライン GT-R (R34型)」と比べて飛躍的にパワーアップしました。
そして現在販売されている最終モデルの出力は570psまで向上しており、市販車とは思えないほどのハイパフォーマンスを売りにしています。
そんなGT-Rをベースに制作された展示用フレームは、本格的な6速MT化のための部品の一取りを決めるための「ジグ」のようなものとのこと。
ミッションにはスカイライン GT-R (R34型)のゲトラグ製6速MTを採用しており、ボディがない分さまざまな方向から見ることができました。
エンジンルームにはドラッグレース用に本格チューンされたエンジンが置かれています。
巨大な吸気ファンネルや車体の前方で左右に出るマフラーからも、ドラッグレースのためだけに突き詰められて制作されたエンジンであることがわかります。
過去に出展されたドラッグレース用のGT-Rの紹介を見ると、最高出力は2000ps。純正状態の500psと比較すると極限まで出力が高められていることがわかります。
また、当日は本車両の隣に、実際に6速MTのミッションを搭載した完成車が展示されていました。この車両はブーストアップされた600psの純正エンジンを搭載しており、完成度の高い一台に仕上がっています。
それだけでなく、クルウチの代表によると逆にスカイライン GT-R (R34型)にR35型のATミッションを搭載した車両も制作しているとのこと。どちらも顧客からの要望が制作のきっかけとなったそうです。
同社の代表は、「ここに展示されているクルマはどれも、『あったらいいな』という気持ちがきっかけで制作されたものです。需要があってもメーカーが作らないものは一定数あるので、うちで作りました」と話します。
GT-R (R35型)は2025年で生産終了してしまうこともあって、会場では一際注目が集まっていました。
その中でも異彩を放つ展示用フレームは、見れば見るほどクルウチのこだわりが伝わるモデルであり、多くの来場者が注目していました。