本来2ペダル仕様の日産「GT-R(R35型)」ですが、6速MT仕様にカスタマイズされた車両が「東京オートサロン2025」に出展されました。どのようなモデルなのでしょうか。
■「スカイラインGT-R(R34型)」の6速MTをR35型に移植!
年明けの恒例行事となっているカスタムカーイベント「東京オートサロン」ですが、2025年は1月10日から12日にかけて幕張メッセ(千葉県千葉市)を会場に開催されました。
会場には新旧多くのカスタマイズカーが所狭しと展示され、来場者が各車両をくまなくチェックしていく姿も印象的でしたが、なかでも一旦スルーしかけては足を止めて引き返す……というシーンが多くみられたのが、三重県に店舗を構える「CREWCH(クルウチ)」が出展していた日産「GT-R」でした。
R35型と呼ばれる現行GT-Rは、それまで「スカイライン」のスポーツグレードだったGT-Rを単一車種としたもの。2007年に登場して以来、たゆまぬアップデートを繰り返し、未だに一線級の性能を有するハイパフォーマンスモデルとして、世界中のファンを熱狂させてきました。
そんなR35型 GT-Rの唯一の“惜しいところ”とも言えるのが、全車がデュアルクラッチトランスミッションを採用した2ペダル仕様であり、3ペダルのMTが存在していない点でした。
確かに純粋な速さやサーキットでのラップタイムなどを考えれば、シフトチェンジはクルマに任せた方がいいというのが常識となっており、2ペダルのスーパースポーツも一般的になっています。
とはいえ、クルマを操る楽しみというのは、あえて自らがクラッチペダルを踏み込み、シフト操作をするという点にも存在しているのは言うまでもありません。
そこでクルウチはR35型 GT-Rに6速MTをインストールするという大技を実現。ただ展示車両はパッと見るとライトチューン&ドレスアップしたGT-Rにしか見えないため、一旦スルーしそうになった来場者がMT車であることに気付いて引き返す、という光景が生まれていたのでした。
そんなクルウチGT-Rのトランスミッションは、「R34型 スカイラインGT-R」に搭載されていたゲトラグ社製の6速MTを搭載し、トランスアクスルであるため一体式となっていたデファレンシャルは「シーマ」用のものを換装することで解決しています。
もちろんR35型 GT-Rのキモである4WDシステムのアテーサE-TSもMT化に合わせて再チューニングされた上で正常に動作するようにセッティングされており、シフトノブが生えるセンターコンソール周辺の改造も最小限で、非常に自然な仕上がりとなっていました。
この車両はナンバー付で展示されていたことからも分かるように、しっかりと公認車検を取得しており、何の問題もなく公道を走れる仕様となっています。
同じような車両を制作することも想定しているとのことで、おおよその費用は500万円~600万円を予定しているとのこと(R35型 GT-Rの車両を持ち込みの場合)。
また、コンプリートカーとしての販売も検討しているということなので、MT車のR35型 GT-Rが気になる人はクルウチまで問い合わせてみてはいかがでしょうか。