スズキの小型ハイトワゴン「ソリオ」/「ソリオバンディット」が一部仕様変更(マイナーチェンジ)しました。どういったところが変わったのでしょうか。
■「豪華マスク」だけじゃない! 新型「ソリオ」の進化点とは
2024年1月に開催された「東京オートサロン(TAS)2025」で、サプライズ登場したスズキの新型「ソリオ/ソリオバンディット」。
大注目は大きく変わったエクステリアデザインですが、その他にも様々な部分に改良が施されています。
ファミリー層からの絶大な支持を得ているソリオ/ソリオバンディット。
5ナンバーサイズで両側スライドドアを装備し、2列シートの車内は広く使い勝手に優れ、走りも燃費も良いという、万能な小型ハイトワゴンです。
今回の一部仕様変更(マイナーチェンジ)では、フロントマスクのフェイスリフトを中心に、大々的な変更が行われました。
新型ソリオに関しては、フロントグリルのメッキ部分の形状が変更となり、ロアグリルもメッシュタイプからアッパーグリルと同じく横模様のデザインに。
グリル部のスズキのロゴマークもより目立つようになるなど、伸びやかで堂々としたデザインとなりました。
新型ソリオバンディットも、アッパーグリルからロアグリルまで、統一されたデザインに刷新されました。
グリルの左右をシルバー塗装のパーツで囲ったことで、ブラックアウトしたフロントグリルがより目立ち、迫力と上級感が強調されたデザインに変わっています。
筆者(自動車ジャーナリスト 吉川 賢一)も、TAS2025会場で新型ソリオ/ソリオバンディットの実車を確認しました。
特に新型ソリオバンディットの顔面は「威圧感」すら覚えるインパクトがあり、最大のライバルであるトヨタ「ルーミー」よりも格上の印象でした。
もはやワンランク上の上級ミニバンのような迫力です。
■効率を高めた新開発パワートレインで燃費も向上
ソリオシリーズのパワートレインは、マイナーチェンジ前は1.2リッター4気筒エンジンのガソリン車とマイルドハイブリッド車、ストロングハイブリッド車の3タイプを用意していました。
新型ソリオシリーズでは、ガソリン車とストロングハイブリッド車が廃止され、全グレード1.2リッターの新開発3気筒エンジン+小型アシストモーターのマイルドハイブリッド車となりました。
この新パワートレインは、2023年12月にフルモデルチェンジした最新世代のコンパクトカー「スイフト」に搭載された高効率なユニットです。
これによって新型ソリオのカタログ燃費は、WLTCモードで20.7~22.0km/Lを達成。従来型よりも10%ほど向上しました。
安全装備もさらに充実し、スズキ最新の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」が採用されたほか、車線維持支援機能も標準装備に。
ほかにも低速時ブレーキサポートやブラインドスポットモニター、先行車の停止に続いて自車も停止保持してくれるアダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能)、電動パーキングブレーキやブレーキホールドも上位グレードに採用されるなど、長距離ドライブをより快適してくれる装備も搭載されました。
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新型ソリオの車両本体価格(消費税込み)は、192万6100円~259万3800円、新型ソリオバンディットは230万3400円~264万8800円です。
全モデルがマイルドハイブリッド車となったことで燃費が大幅に向上していますが、廉価なガソリン車がなくなったことで、エントリー価格は大幅にアップとなりました。
特に新型ソリオバンディットは20万円近い価格上昇となっています。
燃費のいい新型パワートレインが採用されていますし、安全装備も最新世代が標準搭載されるなど、商品力が向上していることは間違いありません。
ただ、廉価も魅力のひとつだったソリオ/ソリオバンディットだけに、購入検討者がどういった反応を示すかは興味深いところ。
ライバルのルーミーとの激戦がどうなっていくのか、今後の動向に注目です。