ケータハムジャパンは東京オートサロン2025に、軽自動車規格の「セブン170R」を出展しました。どのようなクルマなのでしょうか。
■お値段は839万円! 市販軽自動車最速モデル?
2025年1月10日から12日にかけて幕張メッセで開催された東京オートサロン2025に、ケータハムジャパンは「セブン170R」を出展しました。
1973年に設立されたケータハムは、ロータスの創業者コーリン・チャップマンが1957年に生み出したロータス「セブン」の製造ライセンスを引き継ぎ、進化させてきたイギリスの名門スポーツカーメーカーです。
同社の代表モデルとなる「セブン」は、その軽量かつシンプルな設計により、走行性能を極限まで追求したクルマとして世界中のファンを魅了し続けています。
ケータハムではエンジンの製造を行っておらず、セブンにはフォードやローバーなど外部の自動車メーカーから供給されたエンジンが搭載される点も特徴です。
2013年にはスズキのK6A型660cc直列3気筒ターボエンジンを搭載し、トレッドを狭めて日本の軽自動車規格に適合させたケータハム史上最軽量モデル「セブン160」が登場。
輸入車であることからエンジン出力は軽自動車の自主規制にとらわれず、最高出力は80馬力を発揮しました。
セブン160の後継として2021年に登場した「セブン170」は、現行型スズキ「ジムニー」などに搭載されるR06A型660ccターボエンジンに換装され、エンジン出力は85馬力に引き上げられています。
セブン170のボディサイズは全長3100mm×全幅1470mm×全高1090mmと一般的な軽自動車よりも小さく、エンジンオイル等の重量を含まない車体乾燥重量はわずか440kgです。
車重1tあたりの出力は193馬力にものぼり、5速マニュアルトランスミッションを介して後輪を駆動することでセブン170は0-100km/h加速6.9秒の俊足ぶりを発揮します。
排気量2.4リッターの現行型GR86の0-100km/h加速タイムがそれに近い6.3秒です。軽量なボディがどれだけ加速やコーナリング性能に影響するかを体現したクルマがセブン170と言えるでしょう。
東京オートサロン2025に展示されたセブン170Rは、イギリスで開催されているレースシリーズ「ケータハムアカデミー」で使用される車両を参考にサーキット走行向けの保安部品を装着したレース対応モデルです。
各仕様はノーマルに準拠していますが、乗員を保護するロールケージのほか、6点式シートベルトや牽引フック、キルスイッチなどが備わり、公道走行を可能としながらレースにも参加できる仕様となっています。
展示車両の外装は鮮やかなハイパーグリーンで塗装され、縦ストライプのブラックデカールが装着されており、その唯一無二なデザインも相まって、小さくとも力強い存在感を放っていました。
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ケータハム セブン170Rの車両価格は839万3000円、通常モデルとも言えるセブン170Sは811万8000円です。
セブン170は小さなボディサイズとランニングコストの低さからサーキット走行初心者に適するほか、その確かな性能はベテランドライバーにも入門用セブンとして注目されています。
オートサロンのケータハムブースでは昨年に引き続き、同社初のEVスポーツカー「プロジェクトV」も展示され注目を集めていました。