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まんま“昭和”な「ゴージャス内装」! 令和に蘇った「“バニング”ハイエース」がスゴい! 「走る“VIPルーム”」キャンピングカー「フュージョン」とは

くるまのニュース 2025年2月4日 12時20分

かーいんてりあ高橋は、キャンピングカーイベント「ジャパンキャンピングカーショー(JCCS)2025」に、新型キャンピングカー「ハイファールーフFUSION」を初公開しました。イメージしたのは、昭和の「バニングカー」だといいます。どのようなカスタマイズなのでしょうか。

■西海岸で生まれ日本で独自の進化を遂げた「バニング」とは

 2025年1月31日から2月3日まで、キャンピングカーイベント「ジャパンキャンピングカーショー(JCCS)2025」が幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されました。
 
 さまざまなキャンピングカーが一堂に会するなか、来場者の注目を集めていたのは、昭和のやんちゃなカスタム「バニングカー」を思わせるゴージャスな内装のキャンピングカーです。

 1970年代頃から日本で湧き上がった「バニング(Vanning)」。

 元々はアメリカ西海岸で流行したカスタムで、バンの外観をきらびやかに装飾し、車内にはベッドなどを置いて快適に過ごせるようにしたものです。

 そのカスタムが日本に上陸すると、アメリカ製のバンを用い、「ホットロッド」や「キャルルック」などの本家“アメリカ流”カスタムを施したバニングのほか、トヨタ「ハイエース」や日産「キャラバン」などの国産1BOXバンを改造する流れも出現。

 後者はシャンデリアやモケットシートを使用したきらびやかな内装や、巨大なエアロパーツの装着を行うなど、日本流とも呼べる独自の発展を遂げていきました。

 現在も愛好家はいますが、隆盛したのは平成初期の1990年代頃までと言われています。

 そのためバニングといえば「昭和」のイメージが強い人も多いことでしょう。

 そんなバニングはキャンピングカーの一面も持っていました。

 実際、1970年代から1980年代初期の国産1BOXキャンピングカーは、バニングの特徴である丸窓や、西海岸をイメージさせるカラーにミラーなどの装飾品を備え、シートを毛足が長い生地で覆うなど、バニングとの強い関連性を感じさせるモデルも存在しました。

 日本のキャンピングカー文化は、バニングからはじまったとも言えます。

 しかし近年では、バニング風キャンピングカーがキャンピングカー関連のショーに展示されることは少なくなっています。

 そんななか1983年創業の老舗ビルダーである「かーいんてりあ高橋」(長野県長野市)が、JCCS2025にバニング仕様のハイエース「FUSION(フュージョン)」を展示し、大反響を呼んでいました。

 フュージョンのベースは、かーいんてりあ高橋製のオリジナルハイルーフ「ハイファ―ルーフ」を装着したハイエースのワイド・スーパーロングです。

 フュージョンの注目は、やはりその内装。まるで昭和の高級キャバレー(行ったことはないのであくまでイメージです)のようなゴージャスな雰囲気に圧倒されます。

 車内は、天井に至るまでベルベット調の赤い生地が丁寧に貼られたフルモケットトリム仕様です。

 車体後部にはテーブルを囲んだソファを備えており、まさに「ラウンジ」と呼べる空間を有しています。

 ソファは表面を「ボタン留め」した懐かしい意匠で、各部にはミラーが配されて深い奥行き感を演出。

 壁面は「ふとん張り」と呼ばれる工法で製作されているなど、バニングの技法をふんだんに使用しています。

 市松模様の床や豪華なシャンデリアとあわせ、商用バンのハイエースの車内とは思えない「VIPルーム」のような空間を生み出しました。

■昭和に培った匠の技を令和の現代に再現!

 かーいんてりあ高橋では、フュージョンを「昭和世代には懐かしく感じる、イマジネーションにあふれたバニングカーを、令和の最新技術と融合(フュージョン)したキャンピングカー」と説明しています。

屋根まで覆われたベルベット内装とシャンデリアで「昭和」にタイムスリップ!?

 同社の代表取締役 高橋 宣行氏(注:高は「はしごだか」)は、現代にバニングを復活させた理由について、次のように語ります。

「弊社は創業41年を迎えます。もともと“バニング屋”だったので、バニングを作る技術を持っています。

 その技術を今の人たちに知ってもらい、継承していくことを目的に、当時の雰囲気そのままにフュージョンを作りました。

 今年2025年はちょうど“昭和100年”というのもありますしね」

 バニング製作には高い技術が必要で、例えば、車内にビスの頭が見られない加工もその一例とのことです。

 一方でフュージョンにはリチウムイオンバッテリー、ソーラーパネル、ルーフクーラーなど最新機器を搭載。現代のキャンピングカーとして快適に使用することができます。

 しかもこのフュージョンは、コンセプトモデルやショーモデルではなく、市販予定となっているのも驚きです。

 展示車は水タンク・バッテリー・冷蔵庫・FFヒーター・電磁調理器・流し台などを備え、諸費用など別途で1320万円というプライスタグを掲げていました。

※ ※ ※

 取材の際、筆者(遠藤イヅル)は高橋氏のはからいで特別に車内に入れていただけました。

 ソファの座り心地の良さ、居心地の良さ、スピーカーから流れる「あなた」や「精霊流し」を聞いていると、昭和世代の筆者は「降りたくない」と思ってしまうほど快適でした。

 バニング風キャンピングカーのブームが今後再び巻き起こるかもしれません。

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