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「言い訳になりません!」 茨城県警が“怒り”の警告! 大迷惑「重量オーバートラック」を“一網打尽”へ 多発する「人命軽視」な危険ドライバーを取締り強化

くるまのニュース 2025年2月4日 16時40分

茨城県警は公式SNSで、過積載車両の「取り締まり強化」を発表するとともに、危険性について強い口調で啓発しています。

■「効率重視」は「人命軽視」です!

 茨城県警は2025年1月31日、公式SNSで過積載の貨物車両に対する取り締まり強化を発表するとともに、その危険性について強い口調で啓発しています。

 過積載とは、トラックやダンプなどの貨物車で、それぞれの車両に定められている「最大積載量」をオーバーした状態のことを指します。

 近年見かけることが増えた、ジェンガのように廃材を積んでボロボロこぼれてきそうな状態はそもそも論外ですが、そんな「山積み」ほどではなくても大事故に至る可能性があるのです。

 大きく重たい荷物を積んでいると、物理の法則上、ブレーキが効きづらくなります。

 全日本トラック協会の資料によると、80km/hで走行している10トントラックで正しく10トンを積んでいる場合、制動距離は50.3m。

 しかし、同じトラックで8割も過積載した18トン状態では、20mも延長の70.3mに。

 長さにしておよそ大型トラック2台分、もしくは電車1両分に相当すると考えると、万が一、人やクルマが飛び出してきたら、そのまま十分な減速ができずに突っ込むことになります。

 さらに、その突っ込んでいくエネルギーも物理の法則上、80%オーバーの質量に比例するので、当然与える損害も大きくなります。

 また「最大積載量」という、「設計上、耐えきれるギリギリの重さの上限」を上回っているということは、トラック自体にも大きな負荷をかけているのです。

 運転時は想定よりも強い遠心力が働いたり、通常は耐えられるレベルの横風にあおられ、左右にふらついてバランスを崩しやすくなり、横転事故に至ることがあります。

 トラック自体も重さで荷台やシャシが折れたり、タイヤがバーストしたりして、立ち往生する可能性もあります。エンジンやミッションなどの駆動系にも無理をさせ、寿命を縮め、燃費も悪化します。

 さらに、事故が起こらなかったとしても、周囲に大迷惑をかけます。

 異常な重さによって道路の穴や段差をひどくしたり、橋を傷めたり、重くて加速しないためにアクセルをたくさん踏むことから、周囲に排気ガスと騒音を撒き散らします。

 そして事故を起こせば、訴訟などで過積載だった点が非常に厳しく追求され、多額の損害賠償が発生する可能性があります。

 しかも、そうした事故があれば、荷物の配達を頼んだ“荷主”などの取引先から契約を打ち切られたり、民事上の責任を受けるだけでなく社会的にも制裁を受けることになります。

 なお、こうした処分や制裁は、過積載車のドライバーや運送会社だけで済まされません。

「この荷物を何時までに何処何処へ運べ」と依頼した“当の本人”である荷主にも責任が追求されます。

 これは、運送会社やドライバーよりも荷主の立場が強く、実際にはドライバーや運送会社よりも、“荷主の指示・命令”によって過積載が行われているためです。

 何度も警告しているのに改善されない場合、数日から数年にわたってそのトラックを運転したり、運転させたりすることを禁ずる「使用制限処分」や、懲役または罰金刑が下ります。

 茨城県警では今回、過積載について「非常に危険な行為」としたうえで、「効率重視は過積載の言い訳になりません!大切な道路と命のためにも重量制限を守りましょう!」と、強い口調で警告。

 さらに「大切な道路と命のためにも重量制限を守りましょう!」と呼びかけています。

 なお、茨城県警ではこれまでも、白バイや覆面パトカーを使って過積載の可能性があるクルマを見つけては測定所に連れていき、臨時で測定所を設けてその場で検挙しています。

 特に産廃運搬に関しては目を光らせており、過去にはヘリコプターを使って荷物の搬入先や搬出先を追跡したほか、県と合同で荷主の正体や荷物の行先などを入念に調べています。

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