レクサス「RC」が2025年、生産終了します。一体どのようなモデルだったのでしょうか。
■さらば、V8・5リッターエンジンの国産ミディアムクーペ
2025年1月16日、レクサスは「RC」をことし11月に生産終了すると発表しました。
RCはレクサスのクーペ専用モデルで2014年10月にデビュー。その後2019年1月にはハイパフォーマンスモデル「RC F」が追加され、数少ない流麗なラグジュアリークーペとして名を馳せてきました。一体どのようなモデルだったのかを振り返ります。
デビューから早11年が経過したレクサス RC。
レクサスのフラッグシップクーペである「LC」の走りのコンセプト「より鋭く、より優雅」を継承しつつ、運転の楽しさを追求して開発された「エモーショナルな走り」のイメージをけん引するFRクーペとしてデビューしています。
RCは「アヴァンギャルド・クーペ」をテーマにデザインされた外観、水平基調のインストルメントパネルや表皮一体発泡シートを採用した内装が特徴で、都市部でも取り回しやすい全長4.7m×全幅1.84mのボディにレクサスらしいラグジュアリーさを兼ね備えています。
ちなみに、車名のRCは「Radical Coupe(過激なクーペ)」の略称です。
このRCの華々しいデビューからおよそ5年経った2019年1月、アメリカ・デトロイトモーターショーにおいて、RCのハイパフォーマンスモデルであるRC Fが登場。
RCに対して20kgの軽量化、空力性能、パワートレーン、タイヤ、サスペンションなどに改良を加え、日常の扱いやすさ限界域における優れた操縦安定性の両立を実現しています。
パワートレインは、トヨタとヤマハが共同開発した5リッターV型8気筒DOHC 自然吸気エンジン「2UR-GSE型」を搭載。
最高出力は481PS・最大トルク535N・mを発生、0-100km/h加速は4秒フラット(RC Fパフォーマンスパッケージ装着車)という俊足ぶりです。
同時に、大排気量のV8エンジンらしい重厚なエンジンサウンドを奏でることも大きな魅力となっています。
また、エンジンフード、ルーフ、フロントスポイラーなどの外装部品およびブレースにCFRP(炭素繊維複合材料)を採用し、さらにカーボンセラミックブレーキやチタンマフラー、専用のカーボンリヤウイング(固定式)、軽量アルミホイールなどを採用。
ラインナップには、さらなる軽量化を実現し、サーキットなどの走行を前提とした高性能バージョン「RC F パフォーマンスパッケージ」を設定。RCと比較して70kgもの軽量化を実現しています。
以後、国産モデルとして貴重な2ドアラグジュアリークーペというキャラクターを確立するとともに、RC Fでは欧州の超高性能クーペに勝るとも劣らないパフォーマンスを発揮し、存在感を示していました。
以後、幾度かの改良が行われていましたが今回、モデルライフの最後の飾る「ファイナルエディション」が200台限定で発表されました(RCにもファイナルエディションを設定)。
ファイナルエディションでは、2UR-GSE型を構成する部品の緻密な質量合わせやクリアランスの調整などによって高精度なチューニングが施され、さらなる回転バランスの最適化とフリクション低減を実現しています。
その結果、V8エンジンの伸び感にさらなる磨きをかけ、滑らかな回転フィールとさらに魅力的なエンジンサウンドを得ています。
その他、高精度リアディファレンシャルの採用をはじめ、外観ではファイナルエディション専用のBBS社製19インチアルミホイールや、オート電動格納式ドアミラーの採用。
内装においては専用のインテリアカラー(ブラック&フレアレッド)やカーボンオーナメントパネル、ネームプレート、ウルトラスエードスポーツシートおよびステアリングといった、ファイナルエディションにふさわしい特別な仕立てとなっています。
クーペモデルらしい美しいフォルム、そしてクルマ好きに響くV8のハイパフォーマンスエンジンを組み合わせた珠玉のモデルを手に入れることができるのも、今年限りです。
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RC Fファイナルエディションの価格(消費税込)は1360万円、その他、RC300ファイナルエディションは666万円、RC300hファイナルエディションは711万円、RC350ファイナルエディションは767万円となっています。