東京オートサロン2025でスズキは、「ワゴンRスマイル ヨーロピアンアンティーク」を初展示しました。どのようなクルマなのでしょうか。
■カワイすぎる新「ワゴンR」
東京オートサロン2025でスズキブースに初展示された「ワゴンRスマイル ヨーロピアンアンティーク」は、まるでロリータファッションでコーディネート、もしくはお姫様系コンセプトカフェのクルマ版のようなモデファイが施された個性派です。「カワイイ」を具現化したクルマと言っていいでしょう。
それにしても凄いのはピンク感です。ヘッドライトまでクリアピンクとし、タイヤの側面までホワイトリボンならぬ“ピンクリボン”としていて、非メーカー系のカスタマイズカーであっても、ここまで徹底してピンクにしているのは、なかなかお目にかかれません。
それを自動車メーカー自らがやるなんて、シートベルトまでピンクですし。
ピンクと並んで凄いのは、リボンのあしらい。フロントシートもリヤシートも背もたれの側面には大きなリボンを飾っているのです。こういうリボンの飾りはどこかで見たことがあるな…と思ったら、結婚式の椅子の背もたれにある飾りに近いですね。
そのうえ、テールゲートやサイドシルの花柄も結婚式場とかカワイイ系インテリアとしたホテルの壁紙のようなデザイン。そんな雰囲気のリボンや花柄をクルマのシートにコーディネートしちゃったというわけです。そんなクルマ見たことありますか。
とにかくクルマ界の常識なんてぶち壊しの、カワイイにあふれているのがワゴンRスマイル ヨーロピアンアンティークなのです。
もちろん筆者のようなオッサンに限らず、男性で似合う人はなかなかいないでしょうね。これに乗るのはたいそうな勇気が必要だし、もし乗ったとしても痛すぎる。
カワイイを人生における重要なテーマや判断基準とする女性だけの方向を見た、大胆なカスタマイズと言っていいでしょう。
ところで気になるのは、どうしてこんなワゴンRスマイルを発想したのかということ。そんな質問には、なんとワゴンRスマイルの開発責任者が答えてくれました。ワケは東京オートサロン2025直前の一部仕様変更にあるといいます。
「ワゴンRスマイルは昨年(2024年)の12月に一部仕様変更をしました。その際、従来のシンプル路線からユーザーの声を反映して“もっとかわいく”へとシフトしたのです。
東京オートサロン2025のスズキブースのテーマは『SUZUKI BOOST GARAGE(スズキ・ブースト・ガレージ)』で、展示車両は各車の個性をブーストする(高める)カスタマイズを施しました。だからワゴンRの個性として“かわいさ”を引き上げたのがヨーロピアンアンティークというわけです」
そんなコンセプトを聞けば、ここまでピンクにこだわってデコレーションした理由も納得。「やるならとことん」と徹底的にかわいくしたらこうなったというわけです。
筆者も、もしカワイイを中心とする人生を送っていたらきっとこういうクルマに強いトキメキを感じたことでしょう。
こんな超カワイイ仕様のワゴンR。参考出品のカスタマイズカーなので市販見込みは全くありませんが、カワイイ系ドレスアップの見本としては参考になりますね。2月7日から9日に開催される大阪オートメッセにも出展される予定となっているので、実車を見たいという人は足を運ぶといいでしょう。
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ちなみにワゴンRスマイルが昨年12月に受けた一部改良では、スタイリングにおいてフロントバンパーやフロントグリルが丸みを帯びた造形となり、より優しくかわいらしいデザインに変更。
ボディカラーは、「ソフトベージュメタリック」と「トーニーブラウンメタリック」を新たに設定したのに加え、落ち着いた色味でありながら個性が感じられる新色の「トープグレージュメタリック」も加わっています。
また、インパネカラーパネルにも新色としてリフレクショングレーとモスブルーを採用。加えてフロントドアアームレストをインパネカラーパネルと同色にすることで、明るく上質な室内空間を演出しています。
さらに、メカニズム面では先進安全技術や運転サポート機能をアップデート。「デュアルセンサーブレーキサポートII」を搭載し、全車速追従機能付きのACCが設定されています。加えて電動パーキングブレーキが設定されたのもニュースのひとつです。