大阪オートメッセでは、過去に日産京都自動車大学校の学生たちが手掛けたカスタムカーも展示されており、なかでも大阪オートメッセ2022では、“ハコスカ顔”のSUVを披露していました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
■「ハコスカ顔のSUV」あった!?
2025年2月7日から9日に、インデックス大阪(大阪府住之江区)にて「大阪オートメッセ2025」が開催されます。
このイベントは関西圏最大級のチューニングカー・カスタムカーの祭典で、例年自動車メーカーやカスタムパーツメーカーが最新のカスタムカーや技術を披露する場として、クルマ好きを中心に人気を博しています。
また、自動車専門学校の学生たちが手掛けたカスタムカーも展示されており、なかでも日産京都自動車大学校は大阪オートメッセ2022に、3代目「スカイライン」(通称ハコスカ)の顔をしたSUVを披露していました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
スカイラインは、長年にわたり日産の代表的な名車として親しまれてきたモデルです。
その起源は1957年4月に遡り、当時のプリンス自動車(現・日産)が「プリンスセダン」の後継車として開発しました。
アメリカ車を意識したクロームメッキのサイドモールやテールフィンが特徴的なデザインを採用していました。
1969年に登場した3代目スカイライン(ハコスカ)は、日産ブランドとして初登場し、そのハイパフォーマンスモデルとして初代スカイラインGT-Rが誕生しました。
このモデルはレースシーンで輝かしい実績を残し、現在でもコレクターズカーとして人気があり、オークションでは数千万円で取引されることも珍しくありません。
そんな伝説のハコスカのフロントデザインを取り入れたSUVが、「ラコスカ」です。
これは、日産京都自動車大学校の学生たちが製作したカスタムカーで、ベース車両には1994年に登場した「ラシーン」が採用されました。
ラシーンは、当時販売されていた7代目「サニー」のプラットフォームを活用し、コンパクトながらも独特のデザインを持つSUVとして登場。
ステーションワゴンを短縮したようなフォルムに、SUVらしいグリルガードや背面スペアタイヤが装備されていました。
ラコスカは、このラシーンをベースに、ハコスカのフロントフェイスを取り入れたデザインに仕上げられており、特に丸型ヘッドライトや特徴的なグリルバンパーが、ハコスカらしさを際立たせています。
また、リアにはラシーン特有の背面スペアタイヤがそのまま残され、SUVらしいタフな印象を持たせました。
足回りにはミシュランの「CROSS CLIMATE(185/65R14)」を採用し、ホイールにはワタナベ「タイプB(14インチ)」、サスペンションにはラルグス「SPEC S」を装着し、走行性能の向上が図られています。
このプロジェクトにおいて、京都校の学生たちは「現代のライフスタイルに適したハコスカ」というコンセプトのもと、キャンプや釣り、さらには日常の買い物にも適したオフロードスタイルのカスタムカーを目指したといいます。
ラコスカは当初、2021年の東京オートサロンおよび大阪オートメッセで展示される予定でしたが、コロナ禍の影響でリアルイベントでの発表は叶いませんでした。
しかし、2022年の大阪オートメッセにて実際に展示され、大きな注目を集めました。
さらに、オンラインイベント「サロンTV」にも登場し、最終的にはナンバー取得も実現。
公道走行が可能な実用的なカスタムカーとして完成したのです。
クラシックカーのデザインと現代の技術を融合させたラコスカ。
その独創的なコンセプトは、多くのクルマファンに新たなインスピレーションを与えるものとなりました。