スズキから発表された「ジムニーノマド」は、インド仕様の「ジムニー5ドア」とはいくつか違いがあるようです。
■インド仕様の「ジムニー5ドア」との違いは?
スズキは2025年1月30日、新型「ジムニーノマド」を発表しました。
インドで生産される輸入車という形になりますが、インド仕様車との違いはあるのでしょうか。
1970年に登場したジムニーは、初代から一貫して小さな車体に丈夫なラダーフレームと副変速機付きの4WDシステムを採用。大型の四輪駆動車並みの走破性能や信頼性を実現し、過酷地やオフロードレジャーユーザーから非常に根強い人気を獲得しています。
ラインナップは軽自動車の「ジムニー」に加え、ボディとエンジンを拡大した小型車(5ナンバー車)の「ジムニーシエラ(ジムニーワイドとした世代も存在・以下シエラ)」も設定。
日本だけでなく海外でも展開しており、199の国と地域で349万台を販売するベストセラーモデルとなっています。
現行型は2018年に登場した通算4代目。走行性能や安全性を高めつつ、原点回帰したクラシカルな丸形ヘッドライトやポップなスクエアのボディデザインを採用したことで、従来からのジムニーファンに加え、若い女性などの新規ユーザーの獲得にも成功。
近年のキャンプやアウトドアレジャーブームも後押ししたことで、発売直後から多数の受注を獲得し、長期の納車待ちを伴う大人気モデルとなりました。
そして2023年1月、スズキはインドで開催されたモーターショーで、ホイールベースを延長し後席ドアを追加した「ジムニー5ドア」を発表しました。
このジムニー5ドアは、かねてよりジムニーユーザーの多くが待ち望んでいた、利便性と積載性の高いロングボディということもあり、日本でも導入を求める声が多数上がったのです。
そして今回、インド発表から2年を経て、ようやく日本でも正式に5ドアモデルが「ジムニーノマド」として導入されることになりました。
新型ジムニーノマドはスズキのインド法人が現地生産したものを輸入する形が取られ、名称は日本独自の「ノマド」というサブネームを付与。
ノマドの名称は、かつて一世を風靡したSUV「エスクード」の5ドアモデルで用いられていたものと同名です。
基本的にはインド仕様からの大きな変更点はなく、パワートレインなども同一ですが、いくつか異なる点もあります。
まず、インド仕様では標準の「ゼータ」と上級バージョンの「アルファ」の2モデル構成となっています。対してジムニーノマドでは「FC」というモノグレード展開。
インド仕様のアルファは、非常に装備が充実したグレードで、9インチ大画面のインフォテイメントシステム「SmartPlay Pro+」や、フランス・アルカミス製のプレミアムサラウンドシステムが標準装備となっています。
インフォテイメントシステムはAndroid AutoやApple CarPlayのワイヤレス接続に対応しており、非常に高性能なものが備わります。
エクステリアでは、シエラとの差異として、ジムニー伝統の「5スロット」グリルがメッキの縁取りとガンメタリックに塗装された点が同一ですが、ボディカラーが異なります。
ジムニーノマド専用色は親しみやすい「シフォンアイボリーメタリック2 ブラック2トーンルーフ」と自然で映える「ジャングルグリーン」など6色を用意。
いっぽうのインド仕様ではルーフがブラックの2トーンではない「シズリングレッド」単色と、精悍な「グラナイトグレー」、スズキのインド高級販売チャンネルのテーマカラーをあしらった「ネクサブルー」、シエラおよびジムニーでのみ設定の「キネティックイエロー」などの7色を用意しています。
そして最大の違いは、インド仕様で一切設定のない先進運転支援システムがジムニーノマドに装備される点です。
シエラや軽自動車のジムニーにも先進安全装備「デュアルカメラブレーキサポート」が備わっていますが、ジムニーノマドではさらに、AT車にアダプティブクルーズコントロールや、後方誤発進抑制機能などが追加されています。
この点ではインド仕様よりも優れているポイントと言えそうです。
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新型ジムニーノマドの価格(消費税込)は、265万1000円から270万5000円。発売は4月3日を予定しています。
なお、目標月販台数を極めて大きく上回ったことから、2月3日からは受注を停止しています。
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(本文を一部修正しました。)