世界的なバイクメーカーとして知られる「ヤマハ」。同車がもし「スポーツカー」を創ったなら、どのようなクルマが完成するのか。実は、そんなクルマが2015年に披露されていたのです。
■ヤマハが「本格スポーツカー」を創ったら…凄かった!
高性能なバイクのみならず、4輪車用のエンジンも開発するヤマハ。
そんなヤマハが「もしスポーツカーを創ったら?」というコンセプトで生み出されたクルマが存在しました。
一体どのようなクルマだったのでしょうか。
そのクルマこそが、2015年に開催の「東京モーターショー2015」で初公開された2ドアクーペ「Sports Ride Concept(スポーツライドコンセプト)」です。
スポーツライドコンセプトの特徴は、「正統派のスポーツカープロポーションに、多様なモビリティを持つヤマハらしい発想を融合した」という、美しいエクステリアデザインです。
ボディサイズは全長3900mm×幅1720mm×高さ1170mm、車体重量は750kgと超軽量。
独立したキャビンを前後のカウルが挟み込むようなデザインを採用し、フロントとリアのフェンダー、ルーフの各部位が滑らかな曲線で繋がる、美しさの中にも力強さを感じる独特のシルエットです。
このスポーツライドコンセプトのデザインについてヤマハは、「各部品が完成された造形を持ちながらも、全体が調和したエレメンタリズム・デザイン」と説明しており、世界的なバイクメーカーであるヤマハならではの美意識を反映。
バイクが備える「個と全」を融合させた、美しさを表現したデザインに仕上がっていました。
またフロントマスクには、スーパースポーツバイク「YZF-R1」を彷彿とさせるという形状のLEDライトを装備。
さらにリアにもセンターアップのマフラーを備えるなど、4輪車でありながら随所にヤマハの2輪車を感じさせる意匠が用いられていました。
インテリアはメタルとカーボン、レザーといった異なる素材を組み合わせた、上質感とレトロな雰囲気を両立したデザイン。
とくにレザーは座席のみならず、ステアリングやダッシュボードなど様々な部位にも用いられており、スポーツライドコンセプトの個性を高めている重要な要素です。
運転席周りには、このレザーとカーボンで構成されたステアリングのほか、3連メーターやエアコンの吹き出し口などを採用し、その全てが左右対称でまとめられているのが特徴的。
乗るたびに見惚れてしまうような、スタイリッシュなデザインに仕上がりました。
またルーフや左右ドア、フロアに透過素材を採用しており、走行時には文字通り「大地を駆ける臨場感」が味わえます。
ほかにも、カーリーメイプル素材のトップケースには、ギターに用いられるサンバースト塗装を施しており、スピーカーを内蔵しています。
これらのパーツは、ヤマハ発動機とルーツを同じくするヤマハ楽器から着想を得たとのこと。
このように、スタイリッシュなデザインが話題となったスポーツライドコンセプトには、市販化を求める声も多く挙がりましたが、発表から約10年が経過した現在も動きはありません。
今後新たな展開があるのか、あるいはヤマハからまた新たな魅力を持ったスポーツカーが提案されるのか、2025年10月30日から開催の「ジャパンモビリティショー2025」にも期待が高まります。