中国に拠点を持つ自動車メーカーであるBYDの日本法人 BYDジャパンは、2025年1月24日に東京都内で「BYD事業方針発表会2025」を開催しました。
■BEVバス「J7」&新型SUV「シーライオン7」導入で、日本市場での挑戦を本格化
中国に拠点を持つ自動車メーカーであるBYDの日本法人 BYDジャパンは、2025年1月24日に東京都内で「BYD事業方針発表会2025」を開催しました。
発表会にはBYDジャパンの劉学亮社長が登壇し、2025年がBYDにとって創設30周年の節目の年であること、日本へ進出してから20周年となること、そしてグループ全体で100万人もの従業員を擁する企業へと成長したことに礼を述べました。
BYDジャパンは3年前から日本でのBEV(電気自動車)の販売を本格的にスタートし、現在は国内で59もの販売拠点を持ち、2024年の販売台数は前年比+58%となる2223台と大きく躍進しています。
さらに2025年1月に開催された世界最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン」では、日本導入モデルとしては4車種目となるクロスオーバーSUVの「シーライオン7」が披露されるなど、着実に日本市場に浸透していることがうかがえます。
そんなBYDですが、乗用車を日本へ本格導入するよりも前の2015年に商用車部門がBEVバスを日本へ導入しており、国内のBEVバスの7割のシェアを誇っているのです。そこでBYDは日本市場に向けて専用開発した2車種目のBEVバスである「J7」というモデルを新たに投入することを発表しました。
劉学亮社長に続いて登壇した石井澄人執行役員副社長によると、前述の通り日本でBEVバスを納車してから今年で10年という節目となり、当初の「K9」に続いて、2019年からは「J6」という日本市場に向けて専用開発したモデルを導入。そこで事業者から上がってきた要望をフィードバックする形で、日本の中型路線バスにマッチするサイズの「J7」が新たに誕生したそうです。
このJ7は、J6の改良型(現行型)やBYDの乗用車に搭載されている、エネルギー密度が高く高い安全性を誇る「ブレードバッテリー」を後席の後ろと天井部分に搭載することで、路線バスにありがちだった通路の段差をなくし、乗り降りがしやすく車内事故の減少にも効果の高いフルフラットを実現している点がトピックとなっています。
またBEVバスということで、有事の際には貴重な電源車とすることも可能であり、J7が搭載する216kWhのバッテリー容量は、1万7000台のスマートフォンのバッテリー容量に匹敵するものとなっていて、いざという時の災害対応が可能な点も特徴と言えます。
■PHEVも日本導入へ
そんなBYDの商用車部門は新たにEVトラックも日本導入を正式に決定。2026年以降、順次展開できるように準備を進めているとのことで、詳細は確定していないものの、すでに海外ではBYDのトラックも多く活躍しているので、続報を待ちたいところです。
そして最後に登壇したのが、BYDオートジャパンの東福寺厚樹社長です。BYDの乗用車部門を担うBYDオートジャパンでは、前述した通り東京オートサロンにて新型車の「シーライオン7」を発表しましたが、このモデルを2025年4月に発売することを宣言しました。
さらに現在は59の国内販売拠点を2025年末までには100拠点へと拡大する計画があることや、引き続き毎年1台以上の新型車を日本に投入するという方針にも触れ、さらなる事業拡大のためにBEVだけでなくPHEV(プラグインハイブリッド車)も日本へ導入することもあわせて発表されました。
日本ではBEVメーカーのイメージの強いBYDではありますが、過去にはガソリンエンジン車を販売していたこともあり(現在は全て終売)、現在でも本国などではPHEVモデルを販売しているため、日本への導入もそう遠くない未来に実現されそうです。
現時点では現行モデルにPHEV仕様が追加されるのか、はたまた新規車種として登場するのかなどは明らかになっていませんが、BEVよりも多くのユーザーが関心を寄せることになりそうです。