岡山県の中心市街地を抜ける国道2号で、渋滞対策事業「岡山倉敷立体」計画が進んでいます。一体どのような計画で、どこまで進んでいるのでしょうか。
■大渋滞区間を立体化
岡山県の中心市街地を抜ける国道2号で、渋滞対策事業「岡山倉敷立体」計画が進んでいます。
一体どのような計画で、どこまで進んでいるのでしょうか。
岡山市から倉敷市にかけての国道2号は、まともな東西軸が他にほとんど無いこともあって、交通集中が激しく渋滞慢性地帯となっています。
せっかく1990年代までに「岡山バイパス」として立派な6車線道路に改良されたのに、信号交差点が密集しているため、あちこちで交通が詰まり、閉塞を起こして渋滞を生んでいるのです。
特にひどいのが、西側郊外の南区妹尾エリア周辺です。「古新田」「妹尾西」「無津」などの悪名高い交差点が連続し、両方向とも長く速度低下を起こしています。朝7~8時台は延々と「10km/h未満」で、ピクリとも動かない状況です。
そこで計画されたのが、信号交差点を連続立体交差でスルーしていく「岡山倉敷立体」事業です。
スタートしたのはつい最近で、2022年に一期工区が事業化したばかりです。
立体化で「信号ゼロ」となるのは、先述の「古新田~無津地区」(延長5km)と、倉敷市内の「加須山地区」(延長0.6km)です。それぞれ、信号交差点を4か所、1か所ずつ立体交差します。1日あたり9万台近い交通量を誇る大動脈の区間です。
完成すれば、所要時間は現在の22分から、ほぼ半分の「12分」へ短縮する見込みです。あわせて、渋滞内で起きがちな追突など交通事故も、今の7割に削減できると期待されています。
渋滞緩和は、岡山市郊外に物流拠点を抱える運送会社にとっても、水島港への移出入の定時性が向上するメリットがあります。特に、ラッシュ時を避けて早く着いたトラックが、時間調整でズラズラと路上駐車しているのが問題にもなっていました。
気になる進捗ですが、事業化してまだ2年なので、設計段階です。2024年には用地取得が始まっています。