で2008年から約17年にわたり「東京オートサロン」や「大阪オートメッセ」などで展示され、いまや名物デモカーとしても知られるのが通称「キラキラベンツ」。どのような特徴があるのでしょうか。
■デビューから17年! 30万粒のスワロフスキーをまとったキラキラベンツ
カスタムカーイベントとなる「東京オートサロン」や「大阪オートメッセ」では、毎年各ブースに新しいカスタムカーやデモカーが展示されています。
そのなかで2008年から約17年にわたり展示され、いまや名物デモカーとしても知られるのが通称「キラキラベンツ」です。
長きにわたり展示されていますが、どのような特徴があるのでしょうか。
このキラキラベンツは、2025年1月10日から12日に開催された「東京オートサロン」に続き、同年2月7日‐9日に開催される「大阪オートメッセ」にも登場を予定しています。
初めて東京オートサロンに展示されたのは2008年から、大阪オートメッセでも同時期から何度も出展されている非常に珍しいデモカーで、おそらくダントツでサロン/メッセ最長出展記録になるのではないかと思われます。
そのクルマとは、DADブースの光輝く2台のメルセデス・ベンツ「SL600」。
ボディ全体に美しく貼られたクリスタルストーンと、内装の細部にまで敷き詰められているのが特徴です。
遠くから見てもその存在がはっきりとわかるとても美しい2台ですが、最初に展示して17年もの長い年月が経過していますが、いつ見てもキラキラと美しく輝いています。
そもそもこのような唯一無二のカスタムカーを作ろうと思ったきっかけとはどのようなものなのでしょうか。
DADブランドを展開する株式会社カクタスコーポレーション広報担当の岸根圭志氏に聞いてみました。
―― どのような経緯で2台のSL600を作られたのでしょうか?
当時、弊社がメルセデス・ベンツ向けの小物類を製造、販売を始めるタイミングでもあり、インパクトの大きなデモカーを作ろうということで企画がスタートしました。
先にシルバーを作って、半年後にゴールドを完成させました。
―― キラキラの正体は何ですか?
高級クリスタルガラスの代名詞と言える「スワロフスキー」社のクリスタル・ジュエリー・ストーンを使っています。
計算された特殊なカットによる美しい輝きと品質の良さは世界的に知られるところで、ベルサイユ宮殿のシャンデリアや道路の照明などにも使われています。
―― 1台にどれくらいのスワロフスキーが使われ、どのようにして作られたのでしょうか。
1台あたり約30万粒のクリスタル・ジュエリー・ストーンを使用しています。
手作業で行われており、私たちスタッフ30名が2交代、約3か月の期間を使って作業を行いました。
ストーンのサイズはいくつか種類があり、ボディに貼っているのは大きめですが内装には小中サイズのストーンを丁寧に貼っています。
バランスをとって美しく仕上げるために、サイズを組み合わせて調整し、接着剤メーカーと共同開発した特殊な接着剤を使っています。
でも時間をかけドア1枚全部貼り終えたところで「何かおかしい?」と思えば全部剥がしてまた最初からやり直しみたいなこともありました。
―― この輝きを保つためにはどのようなメンテナンスを行っているのでしょうか。
屋内に保管しているので汚れることはあまりないのですが、展示する際には水洗いをして磨いています。普通の洗車と同じです。
また、ストーンそのものが劣化することはないのですが、人が触ったりどこかに当たったりして接着面が劣化して剥がれ落ちてしまうことはあります。
その場合はストーンがなくなった部分を補充して新たに貼ることもあります。
なお、スワロフスキーストーンの裏にメッキの輝きが出るような処理がされているのですが、そのメッキ処理部分が経年劣化することはあります。
そこがはがれの原因になることがあるので注意してメンテナンスしています。
―― スワロフスキーじゃないと、この輝きはやはり出ませんか?
そうですね。スワロフスキーはやはり品質と特殊で精密なカット技術、クリスタルストーンの世界最高峰ですから輝きや品質の良さは他の安いストーンとは段違いです。
―― 30万粒のスワロフスキーストーンをまとったSL600はおいくらくらいでしょうか。
クルマ本体とスワロフスキーストーンの材料費だけで1台6000万円くらいです。
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なお、こちらのキラキラベンツは2台とも現在はナンバーを取っておらず、展示専用車として東京オートサロンや大阪オートメッセなどに展示されています。
長年展示する背景について岸根氏は「毎年出展していても、初めてご覧になる人もいらっしゃいます。そのような方々に楽しんでいただき、カスタムカーの業界にも刺激を与え続けられる存在になれると良いなと思っています」と語っていました。