警察官は日々、さまざまな事件や事故に対応しています。では、警察官は一体どのような装備で現場に向かうのでしょうか。また、パトカーもどのような装備が搭載されているのでしょうか。
■パトカーには「浮き輪」が積載されているケースも!?
日々、全国各地で事件や事故が発生しています。
そこで現場に急行する警察官は、あらゆる事案に対応しなければなりませんが、一体どのような装備で現場に行くのでしょうか。また、現場に向かうパトカーも、どのようなものを積んでいるのでしょうか。
警察庁が公表している「令和6年版 警察白書」によると、2023年中の全国における110番通報受理件数は約1021万件。
これは約3.1秒に1回のペースで通報があり、もしその全部が違う人からの通報だったとすると、国民約12人に1人が通報している計算になります。
さらに、110番通報ではなく、通報者が警察署や交番に電話をしたり、直接警察施設に駆け込んだりするケースがあることから、実際の通報件数はもっと多いものとみられます。
110番通報は、各都道府県にある警察本部の通信指令室で受理されたあと、当該の地域を管轄する警察署に伝えられ、その警察署の地域警察官が現場に向かうという流れが一般的です。
まず、警察官が身につけている基本的な装備品として、警察手帳、警棒・拳銃、耐刃防護衣(防刃チョッキ)、手錠、警笛(ホイッスル)、無線機などがあります。
状況によっては犯人が暴れており、その場で逮捕するというケースも少なくないため、犯人の制圧や警察官の身を守る装備品は欠かせません。
警笛は、たとえば交通事故の現場に臨場したとき、周囲の車両の交通誘導をしたり、交通違反の取り締まりで違反者を停止させたりする際などに使われます。
また無線機も警察官の重要な装備品です。警察署からの指令を聞くときや、事件・事故現場の状況を報告するときなどに活用されています。
そして、警察官が現場に向かう際に乗車するパトカーにも、さまざまな装置や装備品が備わっています。
車内には警察官の装備と同様、無線機が搭載されているほか、「サイレンアンプ」と呼ばれる機械があり、パトカーの上部にある赤色警光灯を点灯させるためのボタンや、サイレンを鳴らすボタンなどがついています。
また「スピーカー用マイク」があり、警察官が交通違反の車両に停止するよう求めたり、緊急走行時に周囲の車両や歩行者に注意を呼びかけたりする際に使われています。
そのほか、パトカーに積載されている装備品の特徴として、パイロン(カラーコーン)、停止合図灯、刺股(さすまた)、盾、防弾チョッキなどがあります。
パイロンは主に交通事故などで事故現場を規制するため、また停止合図灯は警察官が交通整理をするときに使用します。
事故現場において車両を誘導するために、「矢印板」と呼ばれる誘導看板が設置されるケースもあります。
特に交通整理中は、通行するドライバーが事故車両に気を取られ、交通誘導中の警察官を轢いてしまう事故がたびたび発生しています。そのため、警察官はヘルメットや夜光チョッキを着用しています。
刺股や盾などは、犯人が武器を持っている場合に備えた装備品であり、犯人が銃器を持っている可能性があれば、当然防弾チョッキを着用して活動します。
また犯罪や交通事故だけでなく、水難事故に備えて救命用の浮き輪を積んでいるパトカーもあります。
このように、警察が対応する事案内容は多岐にわたるため、あらゆる状況に対応できる装備品が必要になっているのです。
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事件や事故の内容によっては、一般的なパトカーだけでなく、事故捜査用の車両や覆面パトカー、ヘリコプター、警備艇など、一風変わった乗りものが使用される場合もあります。
これも、幅広い業務を担う警察ならではといえるかもしれません。