クルマのナンバープレートの一部にアルファベットが使われているものを見かけることがあります。一体どういう理由でアルファベットが用いられるのでしょうか。
■「アルファベット入りのナンバープレート」正体は?
公道を走るクルマは、前後に「ナンバープレート」を装着しなくてはいけませんが、最近そのナンバープレートの右上の「分類番号」に「アルファベット」が使われているものを見ることが増えました。
通常は3桁の数字(古くは2桁)となる部分ですが、なぜアルファベットが使われているのでしょうか。
結論から言えば、分類番号にアルファベットが使われるようになった理由は、「ナンバープレートに使用する数字の組み合わせが無くなった」ためです。
ナンバープレートには、地名、分類番号、ひらがな、最大4桁の番号を組み合わせて、クルマを識別。そして一度使用されたナンバープレートの組み合わせが別のクルマに割り当てられることはありません。
以前から、いつかは数字の組み合わせパターンが枯渇してしまうのではないかと心配の声があがっていました。
そして、ナンバープレートの数字の組み合わせパターンはどんどん少なくなったうえに、1999年に開始された「希望ナンバー制度」の影響もあり、数字が急速に減っていったのです。
希望ナンバー制度とは、一連指定番号で最大4桁の数字を自分の好きなものを選べる制度ですが、「1」など一桁の数字や、「7777」など人気の高い数字では、分類番号のパターンが少なくなり、数字3桁の分類番号の下2桁をアルファベットにして、ナンバープレートの組み合わせを増やす制度が2017年に開始されたのです。
ただし、一連指定番号のすべての数字(1~9999)にアルファベット入りの分類番号になるのではなく、まずは人気が高く、従来の数字3桁の分類番号が底をついたものから、順次アルファベットが使われるようになりました。
現在、ナンバープレートの分類番号に使用されるアルファベットは、「A、C、F、H、K、L、M、P、X、Y」の10種類。
他のアルファベットは、例えば「O(オー)」は「0(ゼロ)」、「I(アイ)」は「1(いち)」と似ていて数字と見分けがつかないことから使用されません。
また、今のところは「まずは上2桁を数字にする」というルールになっているので、例えば「30A」「52F」といったように3桁目をアルファベットにしますが、この組み合わせが無くなると2桁目もアルファベットにすることになっています。
ただし、軽自動車はルールが異なります。軽自動車のナンバープレートの分類番号は、2桁目は数字ではなく「P・X・Y」のいずれかと指定されており、そのため「5PA」や「5XC」といった組み合わせになります。
そして、アルファベットが入るのはあくまで数字が払底した場合のみ。そのため、払底していない数字では、これまでと同様に数字3桁の分類番号が使用されます。
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どのアルファベットが使われるかは、希望ナンバー制度を利用したとしても選ぶことはできません。
どんな数字とアルファベットの組み合わせになるのかは、ナンバープレートが交付されるまで分からないということも覚えておきましょう。