ホンダ「オデッセイ」をSUV化した斬新なモデルが過去に公開されていました。公開から7年が経過した現在、再び注目が集まっています。
■「オデッセイ」のクロスオーバーSUVがカッコイイ
アウトドアレジャーの人気の高まりから、自然に映えるスタイルのSUVが支持を集めていますが、従来からの両側スライドドア付きミニバンも根強い人気があります。しかし、この2つを組み合わせた「SUVミニバン」のラインナップは限られています。
そんななか、ホンダはかつて「オデッセイ」をSUVスタイルに仕上げたモデルを提案していました。SNSなどでは現在もなお、さまざまなコメントが投稿されています。
それがコンセプトカーの「ODYSSEY CROSS CRUISER(オデッセイ クロスクルーザー)」です。
2018年1月に開催されたカスタムカーイベント「東京オートサロン2018」で、ホンダ車のアクセサリーを手掛けるホンダアクセスが公開しました。
ベースはオデッセイのうち、2013年11月に発売した5代目現行型の初期モデルです。
5代目では、国内のオデッセイ初の両側スライドドアを採用。全高も高められ、堂々としたフロントフェイスや上質な内装をあしらうなど、上級クラスミニバンへと進化しています。
また、先進運転支援システム「ホンダ センシング」を採用したほか、2016年には2モーターハイブリッドモデルが設定されるなど、さらなる高級路線へとシフトしました。
そんなオデッセイがベースとなるオデッセイ クロスクルーザーは、「シーンを選ばず洗練された車旅を楽しむためのクロスオーバーミニバン」をキーワードに、オデッセイらしさにSUV風の斬新なカスタムをプラスしました。
エクステリアはメーカー直系のホンダアクセスらしい高い完成度でした。
タフなイメージを感じるスキッドプレート風の加飾が追加された専用フロントバンパーを装着し、フロントグリルもブラックメッキにすることで、豪華志向のオデッセイから一変。プレミアムSUVのような印象です。
ボディサイドは、前後のフェンダーに無塗装樹脂のフェンダーアーチモールを装備し、シルバーのルーフレールを装着しました。下部にはプロテクター風のメタル加飾パネルが追加され、アウトドアなスタイルに変更されています。
さらに、タイヤもBFグッドリッチのホワイトレター入りオールテレーンタイヤを装着。全高は不明ですが、専用サスペンションにより若干の車高アップも施されていたようで、見た目だけではなく走破性も高められています。
ボディカラーはホンダのフラッグシップセダン「レジェンド」の「ギルデッドピューターメタリック」が採用され、タフなパーツに都会的な洗練さも与えました。
インテリアは、アウトドアスタイルと上質さを両立。インパネはホワイトステッチを施したグレーのソフトパッドと木目をあしらったほか、シートやドアトリムにはグレーの織物素材を採用し、モダンな雰囲気にまとめています。
リアシートはオットマンや背もたれの中折れ機能付きの「リラックスシート」を装備。シート背面を木目にし、自然な雰囲気を感じられるように変更しました。
そんなオデッセイ クロスクルーザーでしたが、ホンダアクセスによるコンセプトということで非常に完成度が高く、リアリティもある仕上がりであったことから当時大きな話題になり、市販化も期待されましたが、残念ながら実現には至りませんでした。
しかし公開から7年が経過した現在でも、SNSなどでは「オデッセイクロスクルーザーいいな」「これ販売してほしかったな」「カッコイイ」といったコメントが投稿され、市販化を求める人もいるようです。
コロナ禍を経てアウトドアレジャーや地方への移住が定着し、自然たっぷりの空間で映えるクルマが求められるなか、ミニバンとSUVを融合したモデルは三菱「デリカD:5」のみ。
いっぽう、ホンダではコンパクトミニバン「フリード」にSUVテイストの「クロスター」を設定しているほか、軽ワゴン「N-BOX」にもクロスオーバー風の「JOY(ジョイ)」を追加するなど、クロスオーバー風味の人気モデルを投入しています。
フラッグシップミニバンたるオデッセイにも、こうした斬新な仕様が登場すれば、一躍注目を浴びる存在となりそうです。