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「車中泊」人気の裏で“トラブル”も増加!? キャンピングカー市場「空前の急成長」による「課題」と「解決策」とは

くるまのニュース 2025年2月12日 19時30分

近年、キャンピングカー市場がかつてない活況をみせるなか、新たなトラブルも発生しているようです。キャンピングカー業界団体の日本RV協会(JRVA)では、どのような対策を打っているのでしょうか。

■国内キャンピングカーの保有台数は16.5万台まで拡大! 一方でトラブルも

 2025年1月31日から2月3日まで国内最大級の規模のイベント「ジャパンキャンピングカーショー(JCCS)2025」が幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催され、多くの来場者で賑わいました。
 
 主催する日本RV協会(JRVA)によると、2024年の国内キャンピングカー累積保有台数は過去最高規模の16万5000台に成長したといいますが、一方で、車中泊利用者が増えたことによるトラブルもあるといいます。どのようなことが起きているのでしょうか。

 日本には多くのキャンピングカーを製作・販売するビルダーがあり、各社ごとに相違工夫を凝らした車両を開発・製造・販売を行っています。

 JRVAは、そうしたキャンピングカーに関連する企業で構成された組織です。

 その活動について、JRVAの広報担当は次のように話します。

「車両を販売するだけでなく、キャンピングカー業界として、もっとキャンピングカー文化を根付かせるための活動を行っています。

 具体的には、車中泊施設である『RVパーク』の推進、レンタルキャンピングカーの貸出、くるま旅を楽しむオーナーズクラブのサポート、自治体との協力、行政や官公庁などの関連団体との連携、そして自然や文化など観光資源を守るマナーの啓蒙などです」

 キャンピングカーに関する車両の法規もたびたび変更されることがあります。

 単にキャンピングカー文化の盛り上げ役だけではなく、業界団体として監督官庁との交渉や連携を図るという非常に重要な役割も担っているのです。

 さてコロナ禍以降、密を避ける旅のスタイルとして、アウトドアでのキャンプや車中泊の旅が一気に普及しました。

 これにあわせ、国内のキャンピングカー市場も急速に成長を遂げています。

 JRVAがまとめた「日本RV協会 年次報告書2024」によると、国内キャンピングカー累積保有台数は年々増えており、2024年は前年より1万台増えて、過去最大規模の16万5000台まで伸びています。

 これは調査を開始した2005年から比べると、実に3倍以上の増加だといいます。

 ところがこうした普及が広がる半面で、一部では弊害も起きています。

 道の駅や高速道路のSA/PAといった公共の駐車場で、キャンピングカーなどによる不当な長期滞在や生活ごみの不法投棄、敷地を占拠してのキャンプ行為といった迷惑行為が、各地で発生しているのというのです。

 特に一部の道の駅などでは、夕方から朝にかけて多数のキャンピングカーが宿泊のために駐車場を使っていることから、通常の利用者がクルマを止められず、施設の売上に影響が及んでいるという見方もあります。

 これは、急激な車中泊ユーザー増加にともない、キャンピングカー用スペースやごみ捨て場などの設置箇所が不足している点も挙げられます。

 加え、新たに車中泊を始めた人たちが公共の駐車場で「キャンプ場」かのように振舞ってしまうなど、基本的なマナーを知らないということも要因として考えられます。

 マナー違反の利用者に対しては、周囲のキャンパーだけでなく、駐車場施設の管理者も頭を悩ませており、マナーの周知と徹底が喫緊の課題となっているようです。

■すべてのキャンピングカーユーザーが再確認すべき「マナー」とは

 いっぽうJRVAでは、こうした問題に対して正しいキャンピングカー文化をさらに根付かせるべく、「公共駐車場におけるマナー10か条」を掲げ、啓蒙に取り組んでいます。

 10か条は以下の通りです。

車中泊専用施設「RVパーク」の一例[画像は「RVパークはすぬま」(千葉県山武市)]

1.長期滞在は行わない

2.キャンプ行為は行わない

3.許可なく公共の電源を使用しない

4.ごみの不法投棄はしない

5.トイレ処理は控える

6.グレータンク(編集部注:一部のキャンピングカーに備わる生活排水を溜めるタンク)の排水は行わない

7.発電機の使用には注意を払う

8.オフ会の待ち合わせは慎重に

9.車椅子マークの所に駐車しない

10.無駄なアイドリングはしない

 またJRVAでも、キャンピングカー用のスペースが足りないという根本的な問題に対し、先にも触れた認定施設の「RVパーク」設置も推進することで解決を図ろうとしています。

 これはキャンピングカーや車中泊車、一般のクルマでも安心して利用ができる車中泊専用の施設です。

 車中泊トラブルの直接の原因にもなっている、ごみやグレータンク排水などを処理する設備の整備に加え、利用者専用のトイレや電源設備などが設置された有料の駐車場となっています。

 JRVAの担当者は、次のように話します。

「最近では、RVパークを目的地とした旅行を計画しているユーザーも多くなっています。

 日本全国津々浦々に500か所を超えるRVパークが設置されており、外部電源の確保、トイレや入浴施設、ドッグランなど様々な設備をもつRVパークが増えているので有効活用していただき、より一層充実したクルマ旅を楽しんで欲しいです」

※ ※ ※

 なおJRVAが主催する「くるま旅クラブ」に入会すると、RVパーク以外にも会員向けの車中泊施設を借りることができるほか、関連施設などの割引特典が用意されています。

 さらにJRVAに加盟するキャンピングカーメーカーのユーザー向けに設けられた特典付きの会員制度もあるので、あわせて検討してみると良いでしょう。

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