日産・自動車大学校は、2025年2月7日に開幕したカスタムカーショー「大阪オートメッセ2025」で、カスタムカー「Z Lealia」を披露しました。
■美しい「Z」をステージアで再現
日産グループで自動車整備専門学校の日産・自動車大学校は、2025年2月7日から9日まで開催されたカスタムカーショー「大阪オートメッセ2025」で、カスタムカー「Z Lealia(Zリーリア)」を展示しました。
1月に開催の「東京オートサロン2025」で初公開されたカスタムカーですが、どのようなクルマなのでしょうか。
日産・自動車大学校では毎年、車体系課程の学生が授業の集大成としてカスタムカーを製作し、東京オートサロンで披露しています。
今回披露されたZリーリアも、日産京都自動車大学校(以下、京都校)の自動車整備・カスタマイズ科 4年生が6ヶ月の期間で製作しました。
ベース車は、日産のステーションワゴン「ステージア」2代目(M35型)。「スカイライン」と同一プラットフォームをもち、ハンドリングに優れたFRレイアウトにV型6気筒エンジンを搭載するなど、スポーティな走行性能が特徴です。
Zリーリアは、このステージアをベースに「家族と歩むスポーツワゴン」をコンセプトとし、刺激と日常を合わせ持ったクルマを目指して企画。
ステーションワゴンらしいスクエアなプロポーションを、最新の「フェアレディZ(RZ34型)」のような流麗なデザインに仕上げています。
車名のリーリア(Lealia)とは、英語の「Lead(率いる)」とラテン語の「Familia(家族)」から組み合わせた造語。
スポーツカー好きでフェアレディZに憧れるお父さんが、家族5人で乗れるスポーツカーでドライブを楽しんでほしいという、学生たちの思いが込められているようです。
製作を担当した学生は、ステージアを用いた理由について東京オートサロン会場で以下のように話しています。
「これまで先輩たちは、フェアレディZをモチーフにしたカスタムカーをたくさん手掛けてきました。例えばSUVの『ムラーノ』をベースにしたモデルなどです。
このほか東京オートサロンで公開していたものは、コンパクトカーとかミニバンとか、メジャーなボディタイプが多かったので、今回はあえて日産の現行ラインナップにもないステーションワゴンで作ろうということになりました」
また、フェアレディZとステージアは、FRレイアウトや6気筒エンジンなど、共通項も多かったこともポイントだったといいます。
ボディカラーは、現行フェアレディZが発表された当時のイメージカラー「イカヅチイエロー」を採用。
フロントフェイスは、現行型の特徴で初代(S30型)を想起させるクラシカルなデザインのヘッドライトやスクエアなグリルなどを、そのまま移植。
いっぽう、こうした変更は外板のみにとどまり、インナー(内部)パネルは純正と同一。これはボンネットヒンジなどの移設をしないで済むためということで、問題なく開閉ができるようになっています。
リアもステージアのボディから一変させており、クオーターやルーフを切断し、日産のEV「リーフ」のリアエンドを丸ごと取り付けて溶接。クオーターとテールゲートは初代・2代目のリーフのパーツを組み合わせて使っていますが、違和感の少ない仕上がりに。
学生によると、リアのデザインを左右するこの部分が一番大変だったと語っており、製作期間の半分以上を費やした“大手術”だったようです。
これによってリアが拡幅したことから、リアフェンダーとドアもワイド化を実施。フェアレディZらしいグラマラスなデザインを再現しつつ、後付け感のない自然で滑らかな仕上げにこだわっています。
なおリアの下半分はK13型「マーチ NISMO」のバンパーを採用。下部はディフューザー形状となっており、流麗なスタイルとスポーティさを両立しています。
インテリアは、クルマのイメージに合わせ、スポーティなブラックへと塗装。
シートは協賛企業で内装サプライヤーであるサンショウからシートカバーの提供を受けており、イエローとブラックの専用シートカバーによって、スポーツカーらしい高性能さを感じさせるものとなっています。
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大阪オートメッセ出展にあたっては、協賛企業であるロックペイントが京都校を訪問し、学生に直接塗装の磨きを指導。ボディの状態がさらに良好になって展示されています。
また、学生によると実は東京オートサロンの2日目で外装に小変化があったようで、クオーター部にフェアレディZのエンブレムを追加したといい、ボディサイドにワンポイントのアクセントが生まれています。
東京オートサロン2025でもひときわ注目を浴びたZリーリアということもあり、大阪オートメッセ会場でも多くの人でにぎわいをみせていました。